2011年9月11日日曜日

モンティ・パイソンもののレビュー前に

It's…(始まるよ)




確かにモンティ・パイソンには映画版がある。メンバーのほとんどは映画関連の仕事をしている。
しかし、彼らの中心に『空飛ぶモンティ・パイソン』というテレビ番組がある以上、「映画」という枠ではなく、新たに「モンティ・パイソン」という枠で語ったほうがいいように思えた。
かくして、ブログのラベルにパイソンが追加されたのだった。

モンティ・パイソンに関する書籍やウェブサイトは多々ある。製作している人はリアルタイムで番組を観ていたファンだったり、リアルタイムでなくとも熱心なファンだったり、当時のイギリスの政治・風俗に詳しい研究家だったり、パイソンズ本人たちにインタビューしてきたライターだったりするので、現時点でパイソニアン歴2年目の私の解説より、そういった資料を見たほうがより正確な情報を得られるはずである。
しかし、他に丸投げなんていい加減な仕事をしていると、どこからか乗りこんできた軍人に厳重注意を受けそうなので、可能な限りのイントロダクションを書くことにする。

モンティ・パイソン概要
モンティ・パイソンとは、1969年からイギリスBBCのコメディ番組で活躍したグループ。もとは『空飛ぶモンティ・パイソン』という番組名のことだったが、次第にグループ6人のことを指すようになる。番組は1974年まで、全4シリーズが放送された。
権力者、偉人、知識人をどこまでもコケにして、人種・宗教・偏見など何でもネタにするというブラックなスケッチ(コント)が人気。オチがなく、スケッチからスケッチへ話が繋がるという流れが斬新と評価され、英国コメディ史における革命的存在となる。「コメディ界のビートルズ」という称号も持つ。

なお、「モンティ・パイソン」というネーミングは、番組名をつけるにあたって思いつきで決まったもの。メンバーのエリック・アイドルいわく「人生と同じで大した意味はない」らしい。

日本では昔、テレビ東京にて日本語吹き替え版が放映されていた。吹き替え声優陣の豪華さとクオリティの高さから、いまだ評価が高い。
日本語吹き替え復刻のボックスセットも出ているが、日本で放映されなかった放送回があったり、権利関係で吹き替え音声が使用できない部分もあったため、日本語音声のない部分も多々ある。

パイソンズ・メンバー  *()内は日本語吹き替え声優
①グレアム・チャップマン(山田康雄)
ケンブリッジ大出身。医学専攻で、医師免許を持つ。スケッチで医者の役を演じることも多かった。
192cmの長身で、軍人や警察官など横柄な権力者役が得意。パイソンズ映画では主役をはった。
私生活はかなり破天荒だったらしく、アルコール中毒の問題も抱えていた。また、オープンゲイであり、ゲイの人権擁護活動も行っていた。
1989年、脊椎ガンにより48歳で亡くなった。その後パイソンズが集まるときには、遺灰として骨壷で登場していたりする。

②ジョン・クリーズ(納谷悟朗/第1シリーズ1・2話だけ近石真介)
ケンブリッジ大出身。法学を専攻し、弁護士資格を持つ。
196cmとメンバー1長身。迫力があるためか、高圧的なキャラクターを演じることが多い。
第4シリーズを前にいち早くパイソンズの番組から離れ、コメディドラマや映画の脚本製作に当たっていた。近年の007シリーズ、「チャーリーズ・エンジェル」シリーズ、「ハリー・ポッター」シリーズなど、大作映画への出演も多い。

③エリック・アイドル(広川太一郎)
ケンブリッジ大出身。言語学専攻。延々と続くしゃべくりや、言葉遊び的なネタを得意とする。
自称「パイソンズで3番目に背が高く、6番目に性格がいい男」。
出版や音楽活動でも才能を発揮し、パイソンズ映画『ライフ・オブ・ブライアン』の主題歌「Always Look On The Bright Side Of Life」が代表作。
パイソンズ映画『モンティ・パイソン・アンド・ザ・ホーリー・グレイル』を基盤にしたミュージカル『スパマロット』の脚本・作曲担当でもある。

④テリー・ジョーンズ(飯塚昭三)
オックスフォード大出身。中世英文学専攻。サイレントコメディ風スケッチやドタバタ劇など、ビジュアル的な笑いが得意。(これはオックスフォードのコメディの特色らしい)
おばさん役の上手さはパイソンズ1。「裸のオルガン奏者」をはじめ、なぜか全裸/半裸役が多い。中世イギリス史の研究書を書いたり、歴史番組をつくったり、児童文学を書いたり、ジャーナリストとしてコラムを書いたり、映画監督・脚本家(パイソンズ映画含む)を務めたりと、多分野で活躍。

⑤マイケル・ペイリン(青野武)
オックスフォード大出身。歴史学専攻。テリー・ジョーンズとは大学時代からの腐れ縁で、同じくビジュアル・ギャグを得意とする。
にこやかで優しそうな見た目に違わずいい人と評判で、パイソンズ好感度ナンバー1。一緒に仕事がしやすいからと、他メンバーの映画などのプロジェクトによく呼ばれている。
旅行好きが高じて、BBCで旅行番組を制作したこともある。

⑥テリー・ギリアム(古川登志夫)
オキシデンタル大出身。政治学専攻だが、アートの技法も学ぶ。メンバー唯一のアメリカ人。
スケッチにはあまり出演せず、スケッチをつなぐシュールなアニメーションを製作。たまに出演すると、なぜか変態っぽい役どころが多い。
『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』『Dr.パルナサスの鏡』などの映画を生み出し、鬼才監督として名を馳せている。

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