2012年1月29日日曜日

空飛ぶモンティ・パイソン 第2シリーズ第5話



とあるスナック・バーからの中継
今回は、いつもオープニングで「それでは、お話変わって」を告げるアナウンサーが、なぜか庶民臭漂いまくるスナック・バーで司会進行を行う形式。もちろん、この裏にはパイソンズのちょっとした企みというか、風刺があるわけですが。

恐怖のブラックメイル
ブラックメイル=脅迫。すなわち、提示された金額を振り込まないと、愛人の名前とかヤバい写真とかバラしますよ。家庭も地位も失いますよ。……という主旨の極悪TV番組。司会を務めるのは、もちろん「ザ・いい人」マイケル・ペイリン。
ちなみに、このスケッチで初登場した「裸のオルガン奏者」。このときはテリーGが演じているが、第3シリーズからは全裸キャラがお得意のテリーJにお役目交代している。

問題棚上げ委員会
問題があればとりあえずうやむやにするというこの委員会は、今日に至るまで、世界各国の政界・財界で継続されているようです。残念ながら。日本語吹き替え版では「頼まれたことは渋々やる会」になっているが、会の趣旨は原文とおおむね変わらない。
ついでに、カメラに取られたらヤバいという委員会の弱点も、現在に通ずるものがある。
で、外を包囲しているカメラの目を逃れて逃げようと、なぜか映画『大脱走』に通ずる展開に。

大脱走
しかし、映画のようにいかないのが、ギリアニメーションの世界。コラージュ写真と化した委員会メンバー(テリーG以外のパイソンズメンバー)は、人体から配管から名画の中から、あまりにもシュールな世界へ飛ばされ続けるハメになる。


エビサラダ有限会社
……というタイトルだが、エビもサラダも関係ないスケッチ。本人にはまったく過失がないのに、そこに居るだけで何かが壊れたり誰かが死んだりする、災厄を呼ぶ男(エリック)の一幕。
吹き替え版だと、広川さんのおどおどヘナヘナした喋りも堪能できる。決め手は最後の一言「ごめんしてね」。

掠奪された七人の花嫁
実際に、こういうタイトルのミュージカル映画があります。明るいコメディタッチの娯楽作といったところで。しかし、花嫁だけでも7人いるのに、キャストは総勢……。

お肉屋さんにて
暴言と丁寧語を交互に使い分ける肉屋(エリック)。解体など体力仕事が多い=ほぼ労働者階級の仕事=言葉づかいも下品というのが肉屋のイメージらしい。実際、口の悪い肉屋ってのは珍しくないようだが。
もちろん、笑顔で割とていねいな感じの肉屋だっている。エプロン血まみれのまま接客してるかもしれないけど(個人的経験に基づく)。

ある偉大なボクサーの物語
ジョン演じるボクサー、ケン・クリーンエアシステム(=空気清浄機)の密着ドキュメント。彼の日々の鍛錬……というか、いかに彼がアホかをお届けします。
日本ではボクサーが天然(悪くいえばボケ)キャラとしてバラエティ番組で重宝されているが、1970年のイギリスでもそういう印象はあまり変わらないらしい。

溶け込めなかったアナウンサーによるエンディング
そもそも、アナウンサーに無理のある形態で司会をやらせて、しかも最終的に「出来がよくなかったし、もう僕の出番はないかも」と泣きごとを言わせたのは、パイソンズが自分たちのに従来のコメディー番組のような司会進行は不要と知らしめるためだったらしい。ごていねいに、「本当は身体をはったギャグのほうが得意なんだ」と、司会者役の言い訳まで考えられている。
吹き替え版にして、この泣きごとを納谷さんバージョンで聞くのもアリ。

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