2012年5月28日月曜日

エルム街の悪夢

世界一需要の高い悪夢。

エルム街の悪夢('84)
監督:ウェス・クレイヴン
出演:ロバート・イングランド、ヘザー・ランゲンカンプ

 


私事ながら、こいつについてどう語ろうかとああだこうだ考えていた矢先、先代PCが突如ブラックアウトしてしまいました。
そこからデータを救出したり、新規PCを探したり、iTunes移行やプロバイダ変更でいろいろトラブル生じたりしながら、1か月越しでようやく活動再開。
PC界隈の機器&ソフトウェア諸君、そんなにこいつがキライですか?

その名はフレッド・クルーガー。(『フレディ』という呼び名が定着するのは3作目から)
生前は幼児連続殺人犯、死後は高校生連続殺人犯。
焼けただれた皮膚、帽子に赤と緑のボーダーセーターという出で立ちで、右手には鉤爪。
犠牲者はじわじわ追い詰めるのが好き。恐怖心やトラウマをつっつくのも好き。
特にお気に入りの標的(=女の子限定。特にヒロイン)は、時間かけていじめるのが大好き。
羅列してみると、ことごとくゲスな変質者である。しかし、そんな奴が主役のシリーズものが7作も作られ、グッズもたくさん作られ、もう1人のホラーアイコンと対決という名のジャレ合いを繰り広げる番外編まで作られちゃうんだから、世界一愛されてる変質者かもしれない。

フレディの最大の強みは、出没ポイントが夢の中ということ。ひとたび眠りに落ちれば、そこから先はフレディの独壇場。生前のフレディと因縁深いボイラー室に誘い込むこともできるし、好きなところから出没できる。夢でケガを負わされれば現実でも傷が付き、夢で殺されれば現実でも死ぬ。
死なないためには眠ってはいけない。しかし、人間眠らないわけにはいかない。授業中や入浴中にウトウトした隙に、フレディの術中にはまってしまう。さらに、「すでに死んだ男に夢の中で殺された」なんて状況は、大人たちには到底信じてもらえない。かくして、親友たちを次々と殺されていったヒロインのナンシーは、最後の手段としてフレディを夢から現実に引きずり出し、トラップにかけようとするが……。
一応スラッシャーものに部類されているとはいえ、近年のホラーに比べれば特殊効果は安いし、グロ度は低いし、異常に空気が張りつめてるわけでもない本作。ただ、味方がほとんどいない中、相手のフィールドで孤立無援の戦いを強いられるという程よい緊張感、天井を転がる犠牲者やベッドから吹き出す血柱などCGがないなりの面白い演出もある。
どこからが始まりなのか分からない悪夢の不気味さも普遍的だ。特にクライマックスは、夢と現実の境が限りなくあいまいで、ある種現実的な不安感すら漂う。

とはいえ、エルム街シリーズにおいて、フレディのキャラクターほど普遍的なものはない。
前述の通り、フレディはどこをどう切っても最低な変質者だが、変質者にしてはブラックユーモアのセンスが優れている。後のシリーズに比べれば口数は少ないほうだが、口を開けばベロベロ舌か、うっかり感心してしまうほど悪趣味なセリフが出てくる。そのため、回を追うごとに残酷さよりもコミカルさにスポットが当たったキャラになっていくのだが。演じるロバート・イングランド自身のキャラクターが、だんだんフレディと同化していったのだろうか。
また、恐怖心を突くのも得意なので、意味なく腕を伸ばしてみせたり、神出鬼没だったり、死んだ親友の幻を見せつけたりと、演出上手でもある。最も秀逸な、姿を見せずに鉤爪の引っ掻き音だけ響かせるビビらせ効果は、その後のシリーズに脈々と受け継がれた。
こうした特技がより活きるのは、やはり相手が女子の場合。しかも、バスタブの中から出没したり、受話器から口元をベロベロしたり、自ら飛びついて殺しにかかったり、ほとんどセクハラの域じゃないかいとツッコみたくなるほどの高いモチベーションを見せてくれます。
ちなみに、歴代男子勢の中でフレディが仕留めた一番の大物は、本作でナンシーのボーイフレンドを演じていたデビューしたてのジョニー・デップ……というのは映画好きの間で有名な話。

もちろん、こいつのそういう姑息でお喋りで陰険なとこが嫌いって方も多いだろうけど、好きな人にとってはそういう性格も含め、ブラックユーモアやセルフプロデュース能力、ややもするとグロテスクなあの見た目さえチャームポイント。(ロバートさん自身の魅力のおかげって面もありますが)
私のPC周辺機器やソフトには嫌われてるかもしれないけど、私は好きですよ。

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