2012年8月31日金曜日

ザ・コンヴェント/ゾンビキング/処刑山 デッド・スノウ

残暑だ! ゾンビだ!! ボンクラだ!!!


暑いときには怖い話……とはいうものの、自分の体験だけでいうと、ホラーのびっくらかし演出にかえって手に汗握っちゃって、あまり背筋が凍ってくれなかったりすることが多い。あと、希望をいえば、話があんまり重苦しいと観終わったあとダウナーになっちゃうので、多少のスッキリした感はほしい。
じゃ、半分ぐらいダレながらまったり観れるおバカ系(褒め言葉)なホラーならいいんじゃね? 
そんな単純な連想のもと、残暑のお供として、個人的に選定した「3大バカゾンビ映画」をまとめて紹介させていただきたい。

ザ・コンヴェント('00)

監督:マイク・メンデス
出演:エイドリアン・バーボー、ジョアンナ・カントン



40年前、クリスティーンという少女が神父と尼僧を皆殺しにし、火を放ったといういわくつきの修道院。そこに肝試し感覚でやってきたクラリッサら学生たちだが、同じころ忍び込んでいた悪魔崇拝者の若者たちが儀式によって死霊を復活させてしまう。仲間たちが次々と取り憑かれ、弟も捕らわれたクラリッサは、今も修道院の近くに居を構えるクリスティーンに助けを求めにいく。

咥えタバコに酒フラスコの不良女子高生が礼拝堂に殴り込み、バットで尼僧をなぎ倒し、マシンガンを連射し、放火。緊迫のシーンのはずだが、BGMの「You Don't Own Me」のおかげで実にユルいテンションのオープニング。この時点で「ああ、この作品アホなんだ」と気づかされる。その後出てくる若者たちも、不良ゴス少女、いじめっ子ジョックス、チアリーダー、セックスしか頭にないアホ男、なんちゃって悪魔主義者など、鉄板の犠牲者布陣。後半活躍する、現在不良おばさんのクリスティーンを演じるのは、ジョン・カーペンター監督夫人のエイドリアン・バーボー。かつてカーペンターのホラー映画『ザ・フォッグ』で活躍するヒロインを演じた彼女に、また戦うヒロインをやってもらいたい……という監督の夢の投影なのだろうか。死霊相手に戦いを挑むわりに、武器がほとんど銃器・火薬頼みなのはご愛嬌。そうそう、実は『悪魔のいけにえ2』のチョップトップことビル・モーズリィも警官役でちらっと登場する。そこにいるだけで「こいつロクな警官じゃないな」と思わせるオーラはにじみ出ているものの、本当に「そこにいるだけ」だったのはちょっと残念。
ちなみに、パッケージに「ゾンビ、走る。」(注:尼僧と書いてゾンビと読む)と書いてはあるが、、サブタイトルに「死・霊・復・活」とある通り正確には死霊。取り憑かれると、なぜか顔面蛍光ペイント、血が蛍光ピンクになり、早送りロボットダンスのようなカクカクした動きになる、愉快で華やかな死霊。そして最終的には、男女を問わず尼僧の格好になる。つまり、これは尼僧ゾンビではなく、死霊の尼僧コスプレなのだ! ……どっちもイヤか。


ゾンビキング('03)

監督:ステイシー・ケイス
出演:ジュールス・デローム、ジェニファー・トーム



なぜか近未来。人気No.1ヒーローレスラー(覆面)のユリシーズは、恋人(覆面レスラー)のメルセデスとその弟(覆面レスラー)ブルーセインツと海辺の家で再会し、自分の弟子でもあった一匹狼レスラー(覆面)・ティキの試合を観に行く。試合はゾンビと戦うという触れ込みであったが、実態はティキが自分で飼いならしたゾンビを利用した八百長試合。しかし、その最中、屋外で人がゾンビに食い殺される事件が発生し、ティキの飼いゾンビに容疑がかかる。ティキの無実を証明するべく、事件解決に乗り出したユリシーズは、まもなく事件の背後に悪役レスラー(覆面)・ゾンビキングの存在をつきとめる。

たぶん監督さんは、「元WWEやWWFのプロレスラーさんたちを集めてゾンビ映画を撮りたいっ!」って、なんか思い立っちゃったんだろう。で、ゾンビ映画のルールよりも、プロレスのルールを優先したに違いない。だから覆面レスラーは絶対マスクとらないし、マスク取られたら負けだし、ヒーローレスラーは問答無用で尊敬されるしモテるし警察に信用される。もちろん見どころはすべてレスラー同士のプロレスバトル(ケガしない程度の技)。一応、ゾンビとも素手で戦うんだけど、「ゾンビか! よし、首を落としてしまえばOKだ!!」とばかりに、マネキン……もといゾンビの頭をちぎっては投げちぎっては投げで、人間相手よりはるかに余裕の勝利。ちなみに、この世界のゾンビたちは、洗脳さえ解いてしまえば(解き方もかなりアレだが)人を襲わない無害な存在になるので、すべてが一件落着したら、一緒にパーティーまでできちゃう間柄。
まぁ、ツッコミどころには事欠かない一本なんだけど、とりあえず、初っ端にでかでかと表示される「George A Romero Presents」には「嘘つけーーーーーーーっ!!!」と叫んどこう。


処刑山 デッド・スノウ('10)

監督:トミー・ウィルコラ
出演:ヴェガール・ホール、ビョルン・スンクエスト



バカンスを楽しみに雪山へやってきた医学生グループ。実はその山は、蛮行と残虐さで知られたナチスの一団、ヘルツォーク大佐率いるアインザッツ部隊が、奪った財宝を手に終戦後隠れ住んでいた地だった。その財宝を医学生たちが偶然山荘で発見し、手に取ってしまったがために、ナチス兵士の冷凍ゾンビが次々と復活、襲撃をかけてくる。

雪山を逃げ降りる女と、彼女を何かが追うオープニング。これまた緊迫のはずなのに、BGMが「山の魔王の宮殿にて」というベタさ加減に、『ザ・コンヴェント』と同じアホの匂いがする。一応、血しぶきと臓物がふんだんに出てくるので、グロテスク度は3つの中で一番なのだが、臓物の手造り感と鮮やかすぎる画面からは自主制作臭さがぷんぷん漂ってくる。酸素の薄い雪山撮影だから、人間キャストのみならずゾンビキャストまで、あからさまに肩で息してるし。
何やら権利の都合なのか、日本版パッケージでは「ゾンビ」表記ではなく「ゾムビ」になっている。確かに、ただ疾走するだけではなく、陣形も組めるし、グーで殴ってくるし、マウントポジション攻撃できるし、ナイフや双眼鏡などのツールも使いこなすし、軍人としての上下関係も活きてるし、あんまり人喰わないし、しかも一応喋れるみたいだし、明らかに従来のゾンビではないから「ゾムビ」でもいいのかもしれない。もはや「不死身の軍人vs一般人」の構図なので人間が圧倒的に不利なのだが、医学生らしく傷口を自力で縫い合わせたり、チェーンソーとハンマーで突撃したり、スノーモービルでゾムビを轢き逃げしたり、意外と健闘している。それでも両者いろいろ犠牲が出るあたり、ナチゾムビも若者たちもそこそこボンクラ。
ちなみに、パッケージのキャッチコピーは「海に行けばよかった……」。作中でも同じセリフが、しかも仲間が1人目の前で死んだ直後に出てくるのだが……そういう問題なのかよ。海に行ったら行ったで、ヴァイキングゾムビが出てくるかもしれないじゃないかよ。


どうしたって好き嫌いが分かれる映画作品の中でも、ひときわ好きと嫌いの格差が激しくなりそうな3本。B級上等、多少のアラも上等、そしてゾンビ万歳、ボンクラ万歳!! な方にはぜひお勧めしたいのですが……そういう方に出会うのもなかなか難しいもんです。

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