2012年4月17日火曜日

マキシマム ザ ホルモン@渋谷AX

濃厚激うま異質空間。

マキシマム ザ ホルモン Master Of Territory ~俺たちにマスはある!~
2012.03.24. 渋谷AX

オールスタンディングのライヴ行ってると、隣の人とゴンゴンガシガシぶつかって、暑苦しかったり痛かったりするわけですよ。そういうとこも楽しんでるけど。
かといって、座席指定だと思いっきりジャンプしたりノったりできなくて、一抹の物足りなさを感じるわけですよ。見晴らしの良さを楽しんでもいるけど。
そこへいくと、このライヴはそういった点を解消する大変に面白い試みですよ。まさか本当にやる奴がいるなんて思わなかったけど。

以前から、「30歳以上限定」「女子限定(ただし全員強制すっぴん)」など、個性的すぎるライヴ企画を実施してきたマキシマム ザ ホルモン。特に、その首謀者マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)。今回の企画は、1人1メートル四方のマスが与えられ、その中で好きに暴れたり踊ったりできる「マスター・オブ・テリトリー」だ。
上述の個別マスだけでなく、暴れたい人専用「カオスエリア」、ステージに向かって叫びたい人専用「ガヤピープルエリア(1マス3人)」、2人専用「カップルエリア」、親子専用「おかあさんといっしょエリア(2階席)」がある。さらに、抽選にギリギリ通った方々のための「補欠エリア」がPAの後ろにある(ただし、スズランテープと障子越し)。当選者は会場へのドリンク代だけで入場できる、ファンにとっては夢のような企画である。もちろん、レコード会社には痛すぎる企画。ライヴ中のMCで、ナヲ(ドラムと女声と姉)が「バップ(会社名)傾いてます!」って言ってましたっけ。

ちなみに私がいたのはガヤエリア。うっかり黙ってるとステージからご指摘を受ける。周辺からは「上ちゃーーん!!」「ダイスケはん目を開けてーーっ!!!」(目が細いので……)などのガヤが飛び交っていた。我ながら健闘したと思うのは、「ピーチクパーチクうるせーぞ!!」というダイスケはん(キャーキャーうるさい方)の一言に、本当に「ぴーちくぱーちく!!」と叫び返したことか。

ところで、このライヴには地雷がある。万一引いてしまうと相当恥ずかしいことになるマス「トラップシート」である。運悪く(ある意味では運よく?)当たってしまった人は、マスに置いてあった着ぐるみや、風船付きヘッドギアや、パンスト(ペアで頭に被る)を着用して、ライヴに参戦しなければならない。……というわけで、当日の会場では、バナナヘッドさんや大根さんや白鳥さんをちょくちょくお見かけしました。あと、アクティブスイングでエクササイズしながら参戦の方も。

一般的に、ライヴ本編の前にあるのはゲストアクトのライヴだが、今回は「前座」。お笑いの方が、トラップシートのお客さんをイジったり、空席となったマスに補助エリアの方が繰り上げられるくじ引きを実施する。さらに、追加トラップとして、2名にドクター中松のジャンピングシューズが渡された。(ちなみに、マスの中に地味~~に小っさいドクター中松シールが貼られている人がトラップ該当者だ)
とてもこれからライヴが始まる会場とは思えないノリだが、「まぁ、相手はホルモンだもんな」と思うと、たいていのことは受け入れられてしまう。面白いやら恐ろしいやら。

そして実際、フロアが暗転すると、その場はいとも簡単に熱い熱いライヴ会場に戻ってくる。ステージ前の幕をスクリーン代わりに、嘘PV「小さな君の手」(ホルモンらしからぬポップ風)が流れた。笑い混じりに会場が盛り上がったところで、幕が落ち、「maximum the hormone」が始まったところで、ついに本番。重低音とデスボイスに、オーディエンスが激しくヘッドバンギングし、テンポの変化をもろともせずに踊り狂う、いつものホルモンらしいボルテージになる。
が、そうやって激しく暴れるオーディエンスが、きっちり等間隔に並んでいる光景は、やっぱりどこか不思議。ナヲちゃんも「演奏中だけど、客席見て吹きました」と語っていた。
もちろん、マスの中の我々は、変な状況を察しながらも、人にぶつかるのを気にしないライヴ観戦を満喫。ただ、「F」「ぶっ生き返す!!」「絶望ビリー」「シミ」「What's Up, People?!」と、ホルモンの中でもメジャーかつ大暴走曲が集中した中、余裕を持ってヘッドバンギングできたので、首にダメージが来るのも早かった。

かといって、MC中も気を抜いていられない。ライヴ中も、まだトラップは発動し続けるのである。
例えば、スクリーン上のスロットで当たった人が、追加で白鳥(首の長さがそれまでの2倍!しかもベースの上ちゃんとおそろいのモヒカン)着ぐるみを被る。一番応募の多かったマス(最前列の7番)に当たった幸運な人に、マイクスタンドとお立ち台付きで「恋のスウィート糞メリケン」を歌わせる。
一番異色のトラップは「退場」。ただし、このトラップ該当者はMUSICAの鹿野淳さん(ホルモンいわくエライ人)と、ホルモンのスタッフさん。本当に強制的に外に出された挙句、ダイスケはんの「本日は痴漢は無礼講です!! ただし、痴漢していいのはこいつらだけです!!」のMCとともに、巨乳付き全身タイツを着用させられた状態で場内に戻されていた。しかも、カオスエリアに放り込まれ、みなさんの頭上をゴロゴロ転がっていた。ホルモンのライヴじゃ、スタッフも取材陣も一筋縄ではいかないんですね……。

最後のトラップは、補欠エリアから選ばれた1人が、ステージの上で観戦できるという「成金マス」。スロットの結果、吉井くんという男性が選ばれ、見事補欠の星に。
ただ、本編残すところあと1曲というタイミングで、ステージの端で金の座布団に座って観戦というあたり、ホルモンらしいお茶目なイジワル。「恋のメガラバ」で、みんなが踊ったりヘドバンしたりの中、吉井くんは座布団に正座しながらヘドバンしてました。偉い。
ちなみに、「メガラバ」前の「恋のおまじない」。いつもは全員で「麺カタこってり!!」と叫ぶところだが、今回は「俺たちに! マスは! マスラヲ……コミッショナー!!!」だった。
(*マスラヲコミッショナー:パンクバンド。2007年に解散)

いったんメンバーが退場すると、そのままスポットライトを浴びたままステージに取り残された吉井くん。オーディエンス(特にガヤエリア)が調子に乗って、「吉井! 吉井!」とコールを始める。当の吉井くんも、どんどんコールを煽り出していた。(後に、ダイスケはんに『おまえ何調子乗ってんねん!』とツッコまれることとなる)
と、そこへ場内に「緊急ホルモン警報」なるものが鳴り響き、ジャンピングシューズやアクティブスイングなど、一部トラップが撤収され始める。「おい、もしかして……」とオーディエンスがざわつく中、戻って来たホルモンメンバーが「全マス開放」を宣言。「やっぱり!!」と、1階エリアの人々は我先にとステージ前へ押し寄せ、2階席からも親子が降りてきて、もはや原型を留めていない障子の向こうの補欠の皆様もずずずっと前方へ。ぎゅうぎゅうになりながら熱くなっている姿は、これぞホルモンライヴという光景。ちなみに、一応のセーフティーゾーンとして、それまで「カオスエリア」として使われてきたスペースが提供されているので、もうヘタってる人もぎゅうぎゅうになりたくない人も安心。
「卑猥な言葉とか叫びたいかーーっ!!」のMCで始まった「My Girl」と「握れっっ!!」で、オーディエンスは最後の肉弾戦。終了後の「ロッキンポ殺し」SEまで、きっちり踊って盛り上がっていきました。

どう見ても普通じゃないライヴの光景だったし、普通じゃない体験だった。「たまにはこんなのも面白いよね」程度のノリではなく、「ガチでスゲェことやったぞ!!!」という全力投球で。この異質で熱くてこってりな感覚が、ホルモンライヴの醍醐味である。
今回もお腹いっぱい楽しみました。ごちそうさまでした。


↓入場時確認サイン、亮君スタンプ。