2014年8月13日水曜日

マイティ・ソー ダーク・ワールド

兄弟ともに伸び盛り。

マイティ・ソー ダーク・ワールド('14)
監督:アラン・テイラー
出演:クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン



久々に会った人に、外見じゃなく中身について「お前も変わったなぁ」「成長したなぁ」って言われる経験、考えてみたけどほとんど覚えがありません。むしろ「相変わらずだなぁ」「昔から変わらないなぁ」ばっかり言われている。しかも、相手が言う「昔」って、小学生か中学生時代のことだもんなぁ。

『アベンジャーズ』から1年。アスガルドに帰還したソーは、9つの世界の騒乱を収め、父オーディンから王位継承を望まれるまでに至った。しかし、かつて地球で出会い、いつか戻ると約束していた科学者ジェーンのことが忘れられずにいた。
そのころ、ジェーンはロンドンで重力異常の調査中、封印されていたダークエルフの武器「エーテル」に接触し、その力を体内に宿してしまう。エーテルの封印が解けると同時に、ダークエルフたちは長年の眠りから目覚め、ジェーンを追跡しはじめた。ジェーンの危機を知ったソーは、再び地球、および新たな戦いへと向かう。

前作『マイティ・ソー』ではニューメキシコの片田舎、『アベンジャーズではニューヨークが余波の被害に遭った神様兄弟ゲンカ。今回おもに迷惑を被るのはロンドンだが(ついでに、破壊の原因はロキじゃなくてマレキスだし)、星の並びで重力異常が起きているせいでバトルしながらユグドラシルの世界を飛び回る羽目になり、コンパクトなようでいて舞台は広い。
そんな大規模かつ派手なバトルの合間に、「ソーの周りで勝手に雨宿り」「コート掛けの新しい使い方」「はじめてのロンドンチューブ」など、観客をクスッとさせる小粒スパイスの笑いが挟まれている。このあたりのお笑いを担っているのは、前作から密かに人気票を集めているダーシーやセルウィグ博士らジェーンの研究仲間たち。ダーシーは可愛さ、セルウィグはなぜか加速した変人ぶりとそれぞれキャラクターの魅力も活き、それでいてただのお笑い要因ではなくきちんと活躍している点も嬉しい。(浅野忠信の扱いは別として)
個人的には好みだけど、笑える人を選ぶようなセンスだと思ったら、アラン・テイラーってかつて『パルーカヴィル』を監督した人なんですね。道理で好きなはずだ。

(『パルーカヴィル』:ヴィンセント・ギャロやウィリアム・フォーサイスがはじめての現金輸送車強盗に挑むも、憎めないアホのおっさんたちゆえいろいろ困ったことになる話。小粒ながら独特なユーモアの良作)

体力勝負系で根は素直というキャラで通ってきたソーだが、彼女ができたせいかグレた弟を止めに走り続けてきたせいか、ここへきて急に大人になった。つい3年前まで「王の地位もらえるぞやったー! 戴冠式の邪魔もされたことだし氷の巨人なんかぶっ飛ばせ!!」なノリだったというのに、今やジェーンのことを思い王位継承を躊躇するように。そのうえ、アスガルドの危機かという状況下では、現役王オーディンよりも冷静で優れた判断力を発揮。しかも、今までしてやられっぱなしだったロキ対処法についても、徐々に手口を学習しつつある。わずかながら、ソーがロキを出し抜くという逆転現象にまで持ち込めていた。
大人になったぶん豪快さが減ってきている点はちょっと残念であるが、天然ぶりはどうしてもまだ残っているようなので、これからも適度にボケつつ頑張っていただきたいところである。

急激に成長を遂げた兄に対し、前作と『アベンジャーズ』から一貫して真意がどこにあるのか分からないロキ。唯一真意が明確に映るところといえば、ソーが牢を訪れたときの荒れた室内か。映画の活劇モードが強まる中、もっとも前作のシェイクスピア劇要素を担う人物という点でもブレない。『アベンジャーズ』で「あれほど悲惨な(そして笑える)目に遭ってなお反省してるのかしてないのかわからない」と記述したが、王子から一介の囚人になっても、ソーと共闘することになっても、まったく反省の色がないことが判明しました(ある一点を除いては)。
しかし、何だかんだでソーやジェーンを助けていることもありつつ、実はヴィランとしてステップアップしていることも判明してくる。本心が分からず動機がミニマルゆえ「ヴィランとしてもグレーゾーン」と以前表したが、そのベースはちゃんとキープしつつ、成長するところは成長している模様。ソーも成長したことだし、そりゃ負けちゃいられないよね。人気はもしかしたら勝ってるかもね。

兄貴はヒーローとして、弟はヴィランとして着実に歩み始めたアスガルド。
というわけで、今回一番頼りにならないダメ親父ぶりを露呈してしまったオーディン、貴方も今後いろいろ頑張れ!!

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