2016年3月28日月曜日

ヘイトフル・エイト

ヘイトフル・アメリカ、ホープフル・アメリカ。

ヘイトフル・エイト('15)
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル



「愛憎半ばする関係だね」
マリリン・マンソン師匠は自身とアメリカの関係性をこう語った。
本作観賞後、もしかすると同じ問いかけをしたら、タランティーノも同じような答えを返すかもしれないと思った。ただし、師匠の倍以上に喋りながら。

雪山で足止めをくらった賞金稼ぎマーキス・ウォーレンは、レッドロックの町へ向かうために通りかかった1台の駅馬車に同乗させてもらう。馬車に乗っていたのは同じく賞金稼ぎのジョン・ルースと、彼と鎖で繋がれた賞金首の女デイジー・ドメルグ。ルースはデイジーをレッドロックへ護送し絞首台へ送る予定だ。道中、レッドロックの新任保安官だという、元黒人殺しの略奪団員クリス・マニックスも同乗してきた。
猛吹雪が迫ってきたため、駅馬車はレッドロックまでの中継地点である「ミニーの服飾店」に停車。店には同じく吹雪で足止めされた3人の男たちがいた。レッドロックの絞首刑執行人でイギリス人のオズワルド・モブレー、カウボーイのジョー・ゲージ、南軍の元将軍サンディ・スミザーズ。そして、ミニーに留守の間店を任されたというメキシコ人のボブ。
それぞれの素性は果たして本当なのか? 実はつながりのある者たちもいるらしい? 疑惑と緊張感が高まる中、遂に事態は殺人へと発展する……。

(注:以下、ネタバレに触れずに語るのが難しいため、核心に触れる部分は反転させています)

日本では「密室ミステリー」と宣伝された本作ではあるが、ミステリーならキモになるはずの「誰が/どうやって殺した?」問題は、まったくと言っていいほど関係がない。むしろキモとなる謎は「こいつら、実際のところどういう奴なんだ?」「どう決着をつけるんだ?」である。そこがタランティーノ自身言及していたように、『遊星からの物体X』を彷彿とさせる。
ただし、『物体X』のようにクリーチャーが潜んでいるわけではないので、疑心暗鬼サスペンスはグロテスクな何かが現れることもなく中盤までずっと会話劇中心に展開される。映画自体およそ3時間続くのだから、タランティーノ最大級の長丁場である。従来のタランティーノなら、『レザボア・ドッグス』のマドンナ話なり『パルプ・フィクション』のオランダのマクドナルド話なりに該当する、本筋に一切関係ないムダ話を入れているのではないかと思われるが、困ったことに本作の会話劇にはキャラクターの人となりや主義や思想が織り込まれているため、ムダなところがほどんどない。『イングロリアス・バスターズ』のランダ大佐の長喋りに削れるところがないのと同じだ。
ただし、ある事件を転機に、一気に山小屋の中は血しぶきと脳髄まみれになっていく。『物体X』転じてもはや『死霊のはらわた』。そりゃ3時間で満腹にもなりますよ。

もともと主要登場人物の大半がロクな輩じゃない傾向にあるタラ映画だが、今回の主要メンバー8人はロクなもんじゃないなんてもんじゃない。賞金稼ぎマーキスは元北軍少佐で、南部の白人を殺しまくっていた黒人。しかも白人憎悪が高じたあまり、聞いてるほうがドン引きするほどの暴挙もやらかしたことがある。一方マニックスやスミザーズ将軍は黒人を大量虐殺してきた元南軍。必然的に南北戦争時の憎悪がたちこめる(そして、サラリと屋内を南北や中立地帯に分けていくのがイギリス人だ)。その南北対立には積極的に関わろうとしないいわばリベラルのルースとて、何かにつけてデイジーを鎖で引っ張り、全力でぶん殴る。同じく対立に関わらずとも、一番「コイツ怪しい」感を振りまいているのは、口数の少ないカウボーイ(典型アメリカン)と、突然店番になっているメキシコ人(典型移民)
密室の中は、人種と歴史にまつわる暴力と憎悪が渦巻くアメリカだ。ただそうなるとデイジーの立ち位置が微妙になる。一見一方的な被虐対象である彼女だが、ルースは決して女だから平気で殴っているのではないし、殴られ続けるデイジーも懲りた様子もなくルースをバカにし、ゲラゲラ笑う。賞金首の大罪人と言われてはいるが、具体的にどのような罪を犯したのかは分からない。だが少なくとも、彼女はリンカーンがマーキスに宛てた手紙(実はマーキスが作った偽物だが)にツバを吐き、まじめに働く気のいい人々が彼女のせいで命を落とし、実は偽リンカーンの手紙に涙する純粋さを持ち合わせていたルースも死んだ。彼女には「アメリカの良心」をことごとく潰す純粋悪の役割があるそう思うと、彼女が『エクソシスト』の悪魔に憑かれたリーガンのごとき鬼の形相になっていくのも分かる気がするのだが。

『イングロリアス・バスターズ』ではナチスに、『ジャンゴ 繋がれざる者』では奴隷制度に対し、フィクションの世界ならではの代理復讐を遂げてきた近年のタラ。当初は本作もその流れを汲んでいるように思えたが、これは復讐ではなく希望だった。
オズワルドいわく「執行人が悪人の首を吊れば正義、犠牲者の遺族が殺人犯を殺せば西部の正義。一般に西部の正義のほうが好まれるが、それは正義ではない」(要約)。白人嫌悪の元北軍黒人マーキスと、黒人嫌悪の元南軍白人マニックスは、「悪人は捕えて正式に絞首刑にすべき」というルースの意思=西部劇以降のアメリカの正義を継ぎ、2人がかりでデイジー=アメリカの善を殺す悪を吊し上げる。そこに至るまでに血と死体の山が築かれているものの、「対立を超えて手を結び正義を成す」という字面を拾えば、アメコミヒーローにも通ずるアメリカの正義に対する希望の姿が見えてくる。
タランティーノはフィクションの力を、悪を倒してスカッとさせることだけでなく、その先に現実世界に希望を見出すためにも駆使した。偽リンカーンの手紙が、いち黒人の身を守る護符から、対立の壁に空いた最後の風穴になったように。この映画が、いまだアメリカのどこかでくすぶっている憎悪に対する偽リンカーンの手紙になったとしたら……そんな希望ぐらい託してみてもいいんじゃないだろうか。

2016年3月22日火曜日

未体験ゾーンの映画たち2016

パーティーで……いや劇場で会おうぜ!!

未体験ゾーンの映画たち2016
2016.1.2.~2016.3.11. ヒューマントラストシネマ渋谷

未体験ゾーンの映画たち2014の記事はこちら
未体験ゾーンの映画たち2015の記事はこちら


「この冬はヒュートラ渋谷があったかいんだから~!」にダマされるな!
ヒュートラ渋谷は熱湯風呂だ!!
35回ドボンしたけどな!!

本数が増えると、その分玉石混交(石多め)になっていくんじゃないか……とか思ってたけどそんなことはなかったぜ! というか今年は50本もありながら、玉のほうが多いんじゃないのか? ああ、こんなにイイ映画たちがDVDスルーの憂き目に遭いかけていたのか!! なんてキビしいんだろうな映画配給の世界って……。
そういう意味では、2014年から何度も言っている通りつくづくこの企画に感謝だが、各配給会社が未体験ゾーン参加作品を選ぶ際、ファンタジーやファミリー向けは社内で落選しているらしいとのこと(未体験ゾーンパンフレット収録・配給会社座談会より)。そういえば、劇場ロビーで未体験ゾーンのポスターを見た女子高生たちが「怖そうな映画ばっかりなんでしょ?」と喋っていた。度胸があれば「そんなことねぇよ!」って言いたいけど、実際「各国から集結したあらゆるジャンルの映画」といっても、大半を占めるのはホラーとかサスペンスとか血みどろアクションだから、彼女らもそんなに間違っちゃいなかったんだよなぁ。
もしも来年以降、配給会社さんが思い切ってファンタジー/ファミリー作品を送り込んだとしたら、未体験ゾーンの客層にも変化があるのだろうか? うーん、どう転ぶか分からないけど、そんな試みがあったらまた面白いだろうなぁ。


未体験ゾーンの映画たち2016ベスト


1位 デス・ノート(原題:Let Us Prey/ソフト化後題:デッド・ノート)

「どうせ便乗タイトルだしなぁ」と邦題で軽くみられがちなのだが、邦題のことはいったん忘れて観てみてくれ! 作品自体は小粒でも、オカルトベースでありながら怒涛のゴアゴア祭りへと突入する傑作ホラーなんだ! そして、リーアム・カニンガム演じる謎の男の最後のセリフは、2016年最高クラスの殺し文句にして口説き文句なんだ!!


2位 アメリカン・バーガー


2016年の劇場観賞映画第1号の栄誉を持って行ってしまったバカ。徹頭徹尾バカ。タイトルを『アメリカン・バーカー』と書き間違えても間違いじゃないくらいバカ。正体はアメリカ人バカの皮を被ったスウェーデンのバカバカなアメリカ人&バカなアメリカ映画の概念は国境を越えてほぼ共通なのだ。


3位 バンド・コールド・デス

時代を先取りしすぎた音楽ゆえに、35年も寝かされてきた黒人パンクバンド・デスのドキュメンタリー。あまりにも映画的な現実の物語は、ときに残酷だがときに劇的。初めて聴いた人間誰もが涙ぐんだり鳥肌立ったりしたというデスの音楽は、本当に衝撃的なカッコよさだった。


4位 私はゴースト

古典的でもあり斬新でもあるホラー。実験的映像かと思っていたら、ラスト15分に心底ゾッとさせられ、エンドクレジットの頃には切なささえ覚える。


5位 グッドナイト・マミー

今年の未体験ゾーンの厭な映画No.1。ママが今までのママじゃないという不安、彼女は本物のママなのかと疑う双子が取る最悪の手段、そしてサイズがでかい大量のG……と厭な描写がこれでもかと続く。しかし何より厭なのは、思いの違いから生まれた深い断絶。これがまた厭な結末を招くのである……。よくアカデミー外国語映画賞にノミネートされたなぁ。


6位 ブレイキング・ゴッド

『ブレイキング・バッド』に引っかけたいがあまり血迷った邦題で、共同監督/脚本/主演が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のオーガニック・メカニックことアンガス・サンプソンとあっては一体どんな珍作かと思われるが、これが実にしっかりした構成。素人が麻薬ビジネスに手をだして窮地に追い込まれる映画は多々あれど、本作は飲み込んだ密輸ヘロインが出てきたら逮捕されるからひたすらウ○コを我慢するというド底辺のピンチ。警察も容疑者がウ○コするのをひたすら待つという文字通りヨゴレ仕事。しかもこれがおおむね実話に基づいてるんだからある意味ヤな話。その中でももっともヤな描写をやってくれたのはもちろんアンガス。さすがオーストラリア代表変態怪優


7位 ライアー・ハウス

ほぼトレーラーハウス内だけで、大金の行方を巡って腹の探り合い&騙し合い&殺し合いがくり広げられ、金を巡る争いだけでこんなに血肉が……というほどの死体処理ゴアゴア祭りへ。といっても、ディスポーザーが詰まってブツブツ言ったり、ミキサーが壊れてアワアワしたり、煙が立ち込めすぎてゲホゲホしたりと、状況のグロさに反してカラリと能天気な笑いあり。数少ないキャラクターたちが皆ド田舎のヤな奴オーラを醸し出しているのがイイが、特にジーナ・ガーションは齢を経てまたイイ顔になっていた。目元のくすみもほうれい線も、もともと低かったのがさらにしわがれた声も、一般的に女優にはマイナス評価になるところがすべて彼女の強みだったよ。


8位 SPY TIME

冴えない男と思っていた父親は実はベテランスパイで、冴えない息子も実は父親にスーパー殺人技を仕込まれたスパイ予備軍だった!? スペイン産・コミック原作の007パロディ系スパイ映画。スパイの世代交代であり、親子の物語であり、若者の成長劇でもあり……だからある意味『キングスマン』でもある。確かに007やキングスマンに比べたら遥かに低予算だけど、敵は切手に投資失敗して資金難&味方も予算削減で部門縮小という背景アイディアの妙でカバー。コメディではあるけれど、バイオレンスには意外と容赦がないし、決して甘くはない結果も突き付けてくるし、エロはなくても大人の映画だ。


9位 クリミナル・ミッション

『ウォッチメン』のロールシャッハあるいは2代目フレディことジャッキー・アール・ヘイリーの監督デビュー作。「大物から小物まで裏社会の野郎どもが右往左往(ブロマンス要素は皆無で単にムサいだけ)」という初期ガイ・リッチーテイストが個人的に大変好み。ついでに、大どんでん返しというほどではないにしろ、話のツイストも仕込んであったのでお得感も味わえた。もっと言えば、ジャッキーさんの最大チャームポイントたる頭蓋骨後ろの出っ張りを長々と拝めたのもお得だった(たぶん私だけだろうが)。


10位 死の恋人ニーナ

セックスするたびにマットレスやシーツを血みどろにしながら現れる、彼氏の死んだ元カノ・ニーナ。これといって深い恨みも未練もないので、どうすれば成仏できるものなのかニーナ本人にも分からず、ただ現れては人のセックスを邪魔してグダグダ喋るだけ。そしてニーナが現れるたびに血みどろ寝具の後始末をしなければならない恋人たち。おかしさと哀しさと迷惑を振りまく、乾いた笑いのゴーストストーリーだった。



11位 ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ

2回も「ゾンビ」が入る「頭痛が痛い」系の邦題になってしまい、また低予算ゾンビ映画にありがちな「ダレやすい人間ドラマパート」という難点も継承してしまっているが、ゾンビが燃料になったり主人公の妹がゾンビ操作能力を手に入れたりという新しいヒャッハー感がテンションを上げてくれる。そして、「世紀末の世界を肩パット武装と改造車でひた走りたい」という願望は普遍なのだな……。


12位 グランド・ジョー

近年のニコラス・ケイジ出演作の中ではトップクラスの傑作が、危うくDVDスルーになりかけていたとは。本作のニコさんは、ド田舎で地味な重労働する人生どんづまり男だが、やさぐれ感の中からどうしても人の好さが滲み出るところがイイ味を出している。その人の好さが悲劇にもなり希望にもなる。ただ、車で流してる音楽がEyes Of Noctum=息子さんウェス・ケイジのブラックメタルバンドであるあたり、ぬかりないなと思ったよ。


13位 タイム・トゥ・ラン

すみません。デ・ニーロの名前が2番手に出ていたあたりで、去年の『コードネーム:プリンス』(ブルース・ウィリスの名前が2番手に出ていた)に該当する午後ロー系アクションだと思ってました。でも実際はイイ話でもある骨太なサスペンスでした(ちょっと出来すぎな展開もあるけど)。デ・ニーロもここ最近のB級映画に見られる省エネ演技じゃなかったし(失礼)。


14位 ラバランチュラ 全員出勤!

映画が始まって早々に火山が噴火して巨大タランチュラが現れ、サクサクとパニックが起きていくという実にテンポのいい展開。この脅威にポンコツたちが一丸となって、しかも自分たちの得意分野で立ち向かうのもベタながら気持ちがいい。これで『ポリス・アカデミー』のネタを知っていたらもっと笑えたのかもなぁとも思うが、今B級(というかZ級)モンスターパニックで有名人となったあの人がまさかのカメオ出演という特化すぎるサービスにありつけたからまぁいいか。


15位 スタング

主人公カップルの人間ドラマがわりとどうでもいいのが難点だが、そこは口が悪くて酒好きだけど若者に優しいランス・ヘンリクセン市長、挙動不審のマザコン男クリフトン・コリンズ・Jr.、そして人体を食い破って出てくる巨大殺人バチがいろいろとやってくれましたよ! ランキングからは漏れたけど『シャークトパスvs狼鯨』もあったし、今年の未体験ゾーンはモンスターパニックがアツかった。


16位 ビッグマッチ

『新しき世界』『観相師』と権謀術数を巡らす世界に生きるところばかり観てきたイ・ジョンジェが、人質にとられた兄貴を助けるため、仕掛けられたデスゲームにひたすら拳の直球勝負で挑む総合格闘家に。ゲーム首謀者に指示されて、やけっぱちでパラパラ踊りながらクリスマスソングをがなり立てるジョンジェは見どころ。なお、ゲーム首謀者を演じるシン・ハギュンのハイテンション演技は、だんだん長谷川博己に見えてくるよ。


17位 血まみれスケバンチェーンソー

今年初めて未体験ゾーンに邦画が殴り込みをかけた。そんな記念すべき年の記念すべき作品は、意外と人望の厚いスケバン女子高生が改造チェーンソーで改造死体と化した同級生たちと戦うという実に潔いバカだった! 技術部さんにマシンガンや伸縮機能までつけてもらったチェーンソーは、デザインにリアリティはないがぶん回してみたくなること請け合い。


18位 ザ・ラスト・ウォーリアー

チラシでは『300』や『ヘラクレス』と並べられていたが、どちらかというと『アポカリプト』の系統な土着性と血を感じさせる映画。とにかく、呪われた土地に一人棲む伝説の戦士がスゴい!! たった1人で、巨大しゃもじのような武器を駆使して敵を何人も倒す最強ぶりもさることながら、一目見ただけで「こいつには勝てねぇ……!」と思わせてくれる顔面力の凄まじさたるや!! しかも食人族でもあるなんて……なんてハイスペックなんだぁぁぁぁぁ!!!


19位 ザ・ハロウ

アイルランドの神聖な森に潜むクリーチャー=ハロウが、赤ん坊を狙って夫婦を襲撃する。「夜の森は怖い」という根源的恐怖を思い出させてくれる一本である。ほとんど暗闇で、何かがいてもこれだけ木々が生い茂っていては分からないものな。暗闇だからといって、ハロウを出し惜しみしすぎず襲撃するところはきっちり見せるのがエラい。


20位 口裂け女 in L.A.

口裂け女、こっくりさんなど、日本の都市伝説にまつわる事件がロサンゼルスで勃発。一体なぜ……という謎は置いといて、カフェのメイドが廃墟でこっくりさんしてたり、陰陽師と悪魔神父が路地裏ストリートファイターしたり、真昼間にヤシの木に藁人形打ち込んだりと、トンデモジャパン炸裂! タイトルでインパクトを与えたロサンゼルスの口裂け女の影が薄くなろうとは……。
ちなみに、ヒュートラ渋谷で本作を観てシアターから出てきたとき、カンシチ・ヒロさん(作中で妹ウメコを溺愛する藁人形使いのケンさんを演じた人)ご本人がいらっしゃったことが、一番のホラー体験でした。


…で、申し訳ないけどこちらのランキングも。


未体験ゾーンの映画たち2016ワースト


1位 カリキュレーター


管理社会の惑星で、死の沼地に追放された囚人たちが生存のために進み続けるディストピアSF。だからといって監督を『ベクマンベトフの再来』なんて言うのはまだまだ早いぞ! 真の中2魂を持っているなら、もっとキャラクターの面白さやキメ画に力を入れなさい! しかも各キャラクターともスタンスがブレブレだし。せっかくヴィニー・ジョーンズがいても、悪役としての面白さも活かしきれていないし、セリフもすべてロシア語に吹替えられていていつもの声&訛りじゃないのも残念。褒められた点といえば……メインの女優さんがキレイなのと、シガー・ロスの曲が入ってることくらい?


2位 処刑女

みんなが戸締りしまくっている間に地下室に潜り込んだり、いつの間にか屋根に上ったり、一撃で手や首を切断できる技術&パワーがあり、さらに狭いところを移動する柔軟性にも長けているという、大変高いポテンシャルを持つ処刑女=ブラッド・ウィドウちゃん。しかし彼女をジェイソンやマイケルと並べるには、まだまだ個性と変態性と一貫性が足りなさすぎる。特に、風紀の乱れの温床だったパーティーのバカ者(若者)たちをほぼスルーしてしまったのはイタいぞ。


3位 フルリベンジ

オリジナルの南米映画『Hidden In The Woods』は、近親相姦、売春、殺人……とあらゆるタブーを描いた、救いの余地のない映画だった。それに惚れ込んだマイケル・ビーンがリメイク権を獲得したのだが……なぜタブーのうち「奇形の子ども」と「カニバリズム」を省いた。それだけが原因ではないのだけれども、ヤバさと救いのなさがマイルドになってしまった感がある。たぶん、マイケルは自らが演じるしぶとい鬼畜親父に力を注いだんじゃなかろうか……?


4位 INFINI

逃げ場のない辺境の惑星で謎の寄生生命体に脅かされるクルーたち。生命体は少量の血液からでも媒介・増殖し、寄生された人間は凶暴化する。『遊星からの物体X』×『28日後……』なSFホラーにもなり得たのに、閉塞感も恐怖もサスペンスも中途半端になってしまった。


5位 マーターズ(リメイク版)

難しいところなのだが、リメイクにあたっての改変は完全に否定できるもんじゃないし、むしろ面白いと思っている。むしろオリジナルでやったことをそのままなぞるだけでは意味がないと思うし、オリジナル版で感じた閉塞感とイライラは昇華(消化?)できるだろう。ただ、その発想が「ああアメリカだなぁ」とも思えてしまうし、やはりあの胸糞悪さを経てからの昇天こそ『マーターズ』だろう……という思いも強いのである。


そしておまけ。


ベスト名言賞


1位 「人々は私のせいにしたがるが、私はただの目撃者だ。私が見たものには天使も涙する。私を否定してもいいが、君の目に宿る炎は私だ。君にこの地上の腐った、邪悪な魂をすべて与えよう。君は復讐し、私は彼らの魂を燃やす。正直に言えば、君なしでは凍えそうだ」(デス・ノート)

2位 「まるで映画だ。俺たちは偶然の主人公。監督はデイヴィッド。天国から演出中だ」(バンド・コールド・デス)



ベスト音楽賞


『バンド・コールド・デス』
2013年に本作のプレミア上映会場で行われた"Keep On Knocking"ライブを貼っておきます。
CD『For The Whole World To See』はホントにカッコいいぞ。





ベストビジュアル賞


1位 伝説の戦士(ローレンス・マコアレ)(ザ・ラスト・ウォーリアー)
百聞は一見に如かずということで、お顔を貼っておきます。勝てる気しますか?


2位 鋸村ギーコ(内田理央)
下駄履き&ふんどし着用の女子高生が改造チェーンソーをぶん回した時点で、勝利は約束されているのだ。

3位 最強のタクシー運転手(ジェス・リアウディン)
中の人は元総合格闘家。料金踏み倒す奴は地獄の果てまで追い詰めるぜ!! 的なセガール系かと思ったら、実はセカイ系だったという……。

次点 裸エプロンのおっさん(bella ベラ)
動いて喋ってタバコ吸ってコカインキメる人形のベラ(=主人公)ではない。映画自身が「どっかのクマのパクリ」と言っちゃってる通り、可愛さと毒舌とのギャップはクマの二番煎じだが、変態性において勝るのはさすがラムシュタイン輩出国ドイツ。その代表が、どこに需要があるのか分からないおっさんの裸エプロンショットだった……


ベストタイトルバック賞

ライアー・ハウス
真っ赤なマニキュアを塗るところに始まり、ベーコンを切ったり焼いたり、ミキサーでジュースを作ったりと朝食を作る過程をグロテスクなほどのどアップで撮る。これらのショットがその後起きることを示唆しているのが、ベタながら上手い。


ベスト映画ドリンク

オーストラリアンビール(ブレイキング・ゴッド)
警察も一般人もみんながグビグビ飲んでるから、観賞後思わずビクトリアビター買っちゃったよ。



ベストびっくり映画

スナッチャーズ・フィーバー 喰われた町
あの一番最初の車の「バン!!!」な。1回あれやったら、何度も連発しなくとも、後ろ向いて立ってる人がいるだけで怖くなるから上手い。それから「人の顔をデフォルメすると怖い」っていう怖さの原点に立ち返ってるところもエラい。ただ、短編ホラーを長編に引き伸ばしたとき特有の、始まりと終わりのダラダラ展開はどうしても出ちゃってたね。


秀作から午後ロー的なものまで、今年もいろいろ出会えて楽しかったよ。また来年も会いたいよ。
そしていつもありがとう、チェアマン西澤さん&配給会社さんたち&ヒュートラ渋谷さん!!!

2016年3月21日月曜日

空飛ぶモンティ・パイソン 第2シーズン第10話



フランス映画『フロマージュ・グロン』
訳して『巨大なチーズ』。ゴミ集積所でキャベツを抱える女と自称革命家の男の物語。イギリス人のフランス嫌いネタから生まれた、ヌーヴェルヴァーグ系映画モドキである。ちなみに個人的には、昔『気狂いピエロ』を観たけど理解できず、ラストの爆発しか覚えていなかったことを思い出させられるスケッチでした。

南極のスコット
フランス映画をバカにした直後、今度はアメリカ映画をターゲットにする。スコット隊長の南極到達(と全滅)の実録をビーチで撮影するという無茶振り。しかし、「無理やりにでも大作映画を撮ろうとして迷走する」ってのは、今やアメリカに限った話じゃなくむしろ日本にも顕著なんじゃないですかね?

サハラのスコット
そして迷走の挙句、スコット隊長の冒険譚は、サハラ砂漠でライオンや電気仕掛けのペンギンと戦うというどこのアサイラム映画だよという話に。正直そっちのほうが観たいんだけど。
ちなみに、第7のパイソンことキャロル・クリーブランドいわく、「パイソンの番組に出演している私にだいたい裸というイメージがついているけど、実際にトップレスになったのはこのとき1回だけ」とのこと。しかも後ろ姿だけ。とはいえ、人喰い机に追われて服が脱げるなんてバカなネタに文字通りひと肌脱いでくれたキャロル、貴女は最高だ。

オープニング
……と、実はここまでの長々と続く映画批評&メイキング話がオープニングだったのですよ。

アンヨと入れ歯のダンス
入れ歯が鍵盤替わりに動いて音楽を奏でるというコンラッド・プー氏のパフォーマンスがギリアニメーションで。コンラッド氏の顔のモデルはテリーGじゃないかと思うのだけれど。

観賞魚の免許
役所の窓口に「観賞魚を飼うことを証明する免許をくれ!」と謎の要求をするこの男(ジョン)、実は第1シーズン第8話「死んだオウム」スケッチで死んだオウムを買わされた男エリック・プラライン氏。犬から猫からいろいろ飼っていて、みんな名前が「エリック」ということが判明する。よほどの動物好きなのか、よほどの自分好きなのか。
無茶なことを言ってるようなプラライン氏だが、いっそ免許制にしたほうがペットの幸せを保障できるのでは……と思うこともあるのが哀しい現実だよ。

ラグビー ~古典的ダービー市議会vsオールブラックス~
言わずと知れたラグビーニュージーランド代表チームと、サッカーの「ダービーマッチ」の名の由来となったダービー市議会がなぜか試合。市議会に至ってはカツラやら装飾をあしらった正装やらで着飾ったまま(しかも市長は高下駄で)フィールドに立ち、まさかの勝利を収めてしまう。「ニュージーランドなぞ所詮労働者階級の移民で伝統も何もあったもんじゃないわバーカ」という英国上流意識の反映だそうだが、「ハカ」を見ればお分かりの通り、ニュージーランドチームには戦士マオリ族の血が受け継がれているからね。

サッカー ~ボーンマス海水浴場の婦人科医チームvsワトフォードのシルバー船長扮装チーム~
しかしそんなムチャクチャなラグビーゲームも、このサッカーに比べればまだマシに見えてしまうのである。『宝島』に登場するシルバー船長は、肩にオウムを乗せていて、片目は眼帯、片脚は義足で杖をついているのだ。つまりサッカーでは……

空飛ぶモンティ・パイソン 第2シリーズ第9話



オープニング
吹替版ではたびたび「責任持てんよ、ワシは」になっている司会者(ジョン・クリーズ)の始まりの一言。水着の女性が挑発的なポーズをとるのを順番に映していくと、最後にいるのはビキニ姿でデスクに寝そべるジョンおよび同じくビキニのイッツマン(マイケル)……確かに今回のオープニングは責任持てんな。

身体のパーツを見分ける方法
「足」とか「手」とか言ってるうちは当たり前じゃんで終わるけど、「肘のちょっと上」って厳密には何か名称あるのかね? このネタは今回のスケッチを通して続くが、最も多く紹介されるパーツは「猥褻物(原語:Naughty bits、字幕:いたずらっ子)」である。

ブルース
なぜか名前が全員ブルースであるオーストラリアの哲学科。全員がブルースになってる理由は不明だが、オーストラリアがかつてイギリスの流刑地だった歴史からか、オーストラリア人=ガラが悪くて教養なさそうという偏見ネタがあり、だからこそそんな面々が哲学科の教授になっている。なおこのスケッチでは、人生で一度は言ってみたくなるほどの最高にざっくりした祈り文句が聞ける。「神様、いろいろ頼むわ。アーメン」

オチョクリの達人インタビュー
他人と常に対立するにはどうすればいいのか。簡単なこと、相手が言うことをいちいち否定したり、反対のことを主張したりすればいいのだ! オチョクリというか、ただのイヤガラセともいうぞ。

おかしな二人
第2シリーズ第6話に登場した、巨大鼻のレイモンド・ラグジュアリー・ヤッチト氏(本当はスロート・S・マングローブと発音するらしい)再登場。原語では整形外科医(ジョン)のほうが「どうしてもというなら私と一緒にキャンプに行ってください」と誘いをかけているが、吹替ではなぜか逆にヤッチト氏(グレアム)のほうが「ダメ?」とモーションをかけている(吹替における山田さんの鼻声が楽しい)。いずれにしても、身長190㎝越えの男二人が、満面の笑顔で手をつないで森の中をスキップしてくる絵面のインパクトたるや。

進軍体操
「怒ったぞ表明体操」および「ゲイのお誘いお断り体操」……のようなもの。軍人・警官など男らしさのアイコンは、同時にゲイのアイコンでもある。ヴィレッジ・ピープルのステージを観ればよく分かる。

将軍たちのバレエ・チーム
上記スケッチのネタをギリアニメーションで。ただし、下半身チュチュで踊る将軍たちより、「やめないと自殺するぞ」という抗議のほうがもはやアブナイネタに。片方の目玉の青いところだけ落下するというオチだけど。

キラー・カーズ
上記に続くギリアニメーション。ロンドンをおびやかす殺人車と、それに対抗する脅威としてなぜか現れた巨大二足歩行ネコちゃん。いずれも人類には脅威でしかないのだが。キラー・カーズと聞いて、レディオヘッドの同名曲か、ピーター・ウィアーの『キラー・カーズ パリを食べた車』を思い出す人は挙手。

カミカゼ航空会社
エラい格安航空に乗ることになったなーと思ったら、機長がバリバリの特攻隊長でした。その名も「カミカゼさん」……ってそのまますぎるだろ! おまけに、空港の免税品店のおばちゃんがテリーJじゃ、カミカゼ機長も霞むわ。

波間のマリン・シアター
第1シリーズ第11話にて、「真珠湾総攻撃の再現劇」という名のただのおばちゃん同士の泥試合を見せてくれたバトリー婦人会再登場。戦争というものが、おばさんたちによるハンドバッグ殴り合いだったらどんなにマシか……と案外深い考えを示してくれたバトリー婦人会だが、今回「世界初の心臓移植手術再現劇」をやったところ、結局ハンドバッグ殴り合いだったのでもうそれしかネタがないらしい。
それでも彼女らは、陸地で演劇(仮)をやろうとしている分まだ効率的だった。世の中には、ダイビングや息継ぎのリスクを背負いながら、どこにいるか(そもそもいるのか)分からない観客を前に、海の中でシェイクスピアやミュージカルを実演する人々もいるのだ……! 

ラジオ・ドラマ「スコットランド女王メアリーの死」
「ドカンバキッベシッ」「ぎゃーーーー」でしか伝えられない女王の死。さすがのジョンとグレアムのペッパー・ポッツも笑いをこらえているのが分かる。

マーガレット・サッチャーの脳ミソ
さすが嫌われ者のゴリゴリ保守というか……そうですか、サッチャー首相の脳ミソはそこにあるんですか。2016年3月現在だったら、ドナルド・トランプ候補の脳ミソが思わぬところにあるんだろうなぁ。

ヨーロッパ警察対抗歌合戦
テリーJといえば脱ぎ芸だが、実はパイソンズきっての美声の主でもある。今歌うんかいというタイミングだけど。歌合戦出場者ではないけど、言うことが思い出せず無邪気な笑顔でごまかすマイケルが可愛い。吹替版では青野さんのズレズレな説明が可愛い。

「おかしな二人」スケッチ(英語版字幕なし)。
グレアムが "He asked me!" と言ってることから、どちらが乗り気だったのか分かりますね。
そして衝撃のラストショット。

2016年3月4日金曜日

空飛ぶモンティ・パイソン 第2シリーズ第8話

再び2年近く放置してしまっていたパイソンズシリーズ。ということは、ここでまた更新が止まったら、次の更新はさらに2年後になるはずだ! 本来なっちゃいけないのだけれど。



番組案内
BBC番組案内にて、なぜかスポーツ番組がしつこく推される。ドラマやコメディがあっても、出演者がスポーツ選手ばかりだったりする。BBCにスポーツ番組が多く見受けられたことが元ネタらしいが、当時はともかく今はそんなにスポーツ多い気はしないんだけどな。でも、イギリスのイトコとSkypeしてると、BGMによくスポーツニュース流れてるんだよな。やっぱりスポーツ番組多いのかね?

親指の鼻を持つマンモス
キャバレー跡地の工事現場から、なぜか発掘された巨大な親指。こいつが何なのか調べるため博物館に持って行ったところ、その後親指はマンモスの鼻として標本に移植されていた……。そんなバカなと思われるギリアニメーションだが、実際昔には恐竜の爪の化石が長年ツノの化石と思われていたことがあるのだから、あながちやりすぎでもない?

今日の考古学
……というタイトルのもと、教授たちの壮絶な背の高さバトル。身長コンプレックスは国を超える問題なのだろうか。終盤はミュージカルから肩車合戦から騎馬戦という怒涛の展開。で、結局考古学は……とりあえず上流階級ほど背が高い傾向にあるのは、アーリア人の血を濃く引いているからじゃないだろうか的なところでかすってるってことでいいですかね? 何となく。

ベリング牧師の説教
カメラが引くにつれ、実は頭に斧が刺さっていることが判明する牧師の説教。最後によくよくアナウンスを聞いてみれば、実は精神病院所属の牧師。……なるほど、「所属」の意味から考えなくてはな。

英国“脱腸”協会を代表して……
なぜ脱腸協会なのかというと、本来「英国名所旧跡(National Trust)保存協会」という名称を「National Truss(=脱腸)」に文字っているため。
エリック・アイドル扮する女性リーピー・リー(仮)が何やらスピーチをするはずだったのだろうが、「私本当にリーピー・リーだっけ?」等基本的なところからつまずきまくっているため進展はゼロ。吹替版では「私エリック・アイドルですの。あらこれ私の本名だわやーねー」との広川節。さすが、『Mr.BOO!』で神頼みついでに「太一郎!!」と自分に頼んじゃう男。

欠陥花嫁の交換
「この前の結婚あんま良くなかったからさ、こっちがホントの花嫁なんで取り替えてくんない?」結婚・離婚の手軽化を皮肉ったスケッチではあるが、もしも前嫁が勝手にサラリと交換されていた場合、手軽とはほど遠い泥沼の争いが勃発しそうな気がする。その場合の前嫁役は是非ジョン・クリーズで。

医者と患者
「ミスター・ワトソン?」「いえ、ドクターです」「ではミスター・ドクター」「いやそうじゃなくて」……実際にあったら忍耐力が早めに限界に到達する状況です。

恐怖のチキン・ギャング
ニワトリと卵がギャングっていうギリアニメーション・コントになってるけど、やってることは割とガチなマフィア抗争ですよ。

パーティーの下品カップル(その1)
下品というよりは、名前がヒドくて命名センスもヒドくて家がド汚くて、しかも奥さんが巨大でゴツいジョン・クリーズなカップル……つまりただの下品よりタチが悪い。苗字が「Git(アホ)」なのは一族の悲劇だとしても、名前のほうのネーミングセンスが「鼻たれネズミ顔」「デブで退屈なババア」「汚い嘘つき二枚舌」ではもはや苗字を改名したところでムダですよ。
このコントは終わり際、怒涛の汚物ネタ話になるのでお食事中の方は注意。……と、観ながらチャーハンを食ってた人が警告しますよ。

パーティーの下品カップル(その2)
上記コントの上品バージョン(最初の数十秒だけ)だが、「あっ下品バージョンのほうがまだ面白いかも」と思わされてしまう気も。もしそんな気がしてたら、オチに出てきたボクサー姿のテリーGにぶん殴られるだろうけど。

モスキート・ハンター
蚊など小さな虫をやっつけるためだけに、バズーカ、マシンガン、爆薬など重火器を駆使するハンター兄弟。それはやりすぎだとしても、夏場に的確に蚊をやっつけるスキルは欲しいもんだよ。でないと刺されやすいんだもんよ。

ゲイの裁判官
厳格なイメージの裁判官2人(エリックとマイケル)が、閉廷後オネエ言葉で裁判のグチを言い合う。しかもマントの下にはキラキラのコルセット着用。でも裁判はわりとマトモに進めてくれてるみたいだから文句はないよ。吹替版では広川さんと青野さんのオネエ語掛け合いが拝聴できます。ちなみに、テリーJが裁判官の場合、オネエ設定がなくても吹替の飯塚さんがオバさん口調になってることが多々あります。

ベートーベン秘話
芸術家たちはハンデや苦難を乗り越えて傑作を生みだしたものだ……ただしここで語られるハンデや苦難とは、ベートーベンの場合うるさい奥さんと九官鳥とネズミ、シェイクスピアの場合皿洗いをやらされること、ミケランジェロの場合子だくさん……と、労働者階級あるあるレベル。モーツァルトの息子に至っては、「作曲家なんてやるもんじゃないよ」とのお父さんのグチにならい、ネズミ取り業者になっています。いずれにしてもマイケル・ペイリンなので、人当りのよさそうな駆除業者です。