2013年5月31日金曜日

エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃

目的は忘れた! でも殺しとユーモアと美少女は忘れない!!

エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃 ('88)
監督:レニー・ハーリン
出演:ロバート・イングランド、リサ・ウィルコックス



まぁ、よくある話ですよ。気がついたら本題それてスケール拡大してるってこと。
日常で言うと、流し台に落っこちた髪の毛拾ってたら、あっちの汚れもこっちの汚れも気になって、気づいたら「何で流し台全部キレイにしてるんだ?」ってなるとか。
出しっぱなしの本を棚に戻すだけのはずが、「何で本棚の並び総入れ替えになってるんだ?」ってなるとかね。
ただ、殺人鬼は別にそこで「何でオレこいつまでぶっ殺してるんだ?」って立ち止まらないからね。

前作『エルム街の悪夢3 惨劇の館』で多大な犠牲を払った方々の努力をムダにして、性懲りもなく復活するフレディ。前作で生き残ったクリステンから、さらにはクリステンの親友(でもあり、ボーイフレンドの妹)アリスを媒介に、他の子どもたちをも夢に引きずり込む。
というわけで、フレディのモチベーションは本来の「自分を殺した奴らの子どもを皆殺し」から、「趣味の子ども殺し」に転じる。そうでもしないとシリーズ続けられないし、もともと趣味で連続殺人やってたわけだからもうしょうがないとは思うけど。殺人鬼キャラに「まったくしょうがないな君は」なんて能天気なこと言ってられるのもファンぐらいなものですね。

しかし実際のところ、フレディのモチベーションはヒロインの魅力に比例していると思われる。ヒロインが可愛らしく、しかし強く、懸命に立ち向かってくるほど、ブラックユーモアも悪夢演出も冴えわたる。
クリステン役が前作の美少女パトリシア・アークエットから交代してしまったのは残念だったが、リサ・ウィルコックス演じる、透明感がありつつ芯の強そうなアリスが登場。あれだけご執心だったクリステンをあっさりポイするとは何ともゲンキンだが、おかげでフレディの悪ノリに磨きがかかってくれた。
"How sweet......flesh meat!" "I love soul food!" など名ゼリフも拝聴できたし、ナースフレディ(姿形変化自在なフレディなのに、なぜかロバート・イングランドさん本人がガチで女装)、炎天下のビーチにフレディ出現、透明フレディと空手勝負、人間ミートボールなどの名演出……というよりもはや珍場面集が大量放出される。すなわちロバートさん大活躍。

とはいえ、今回のフレディ復活のくだりは、たとえ自分が再び甦られるとしてもそれはヤですと文句つけたくなる展開。何でそれで行けると思った脚本家? ロバートさんもここらで苦情言ってもいいんですよ……!

あと、筋トレが趣味のパンク系少女デビーの「ゴキブリホイホイ死」。「存在そのものが犯罪」と位置付けるほどアレが大嫌いな自分にはシリーズ1どぎつい。先述の疑問すぎるフレディ復活劇よりそれはヤですと言いたい。
特撮スタッフさんが張り切っちゃったのかもしれないが、ここらへんの演出はワンパクがすぎるさ。

このワンパクさの原因は、アクションゴリ押し系監督のレニー・ハーリンと思われる。
アリスには「夢をコントロールできる」という力があるらしいのだが、その設定はほとんど活かされず忘れられているに等しい。サブタイトルなのに。
その代わり、何の説明もなく、夢の中で死んだ友人や兄の特技や癖がアリスにそなわり、最終的に武闘派美少女として立ち上がったりする。『カットスロート・アイランド』や『ロング・キス・グッドナイト』で元奥さんのジーナ・ローランズをタフなヒロインに演出するのが好きだったみたいだし、監督の趣味なんだろうなぁ。

ここまでやっておきながら、次回作でアリスがママになった途端、さすがというべきかフレディの彼女への興味は半減したらしい。この本筋にまったく関係ないのだが、グループ魂横浜公演の港カヲルさんの前口上が、フレディのゲンキンな態度にピタリとハマったので引用しておく。
「女は……子どもを産む機械ではないのである! なぜなら……
妊婦には興味がないから!! 誰が? オレが!!!」

ロックンロール・ハイスクール

地上最大のロックンロール煩悩。

ロックンロール・ハイスクール('79)
監督:アラン・アーカッシュ
出演:P.J.ソールズ、ラモーンズ



マリリン・マンソン関連なら昔っからいろいろありますよ。
乗り気でない高校の文化祭のとき、突然後夜祭のステージにマンソン一行が乱入! とか。
あまり気に入らないアーティストの会場案内バイト中、マンソンが現れてステージ破壊! とか。
そうです。好きなアーティストがつまらない日常に乱入してくれる妄想

なぜかみんながみんなラモーンズ大好きなヴィンス・ロンバルディ高校に、厳格アンチロック女校長ミス・トーガーが赴任してきた。早速ロック弾圧を始めるも、ラモーンズ大ファン女子高生リフ・ランデルは校長と真っ向から対立。授業中でも構わずラモーンズのレコードをかけ、ラモーンズのために「ロックンロール・ハイスクール」を作詞作曲し、堂々とズル休みしてみんなのためにラモーンズのコンサートチケットを獲得してくる。そんなリフの熱い思いが通じ、ついにラモーンズが高校に殴り込んできた!

生徒たいはみんな問答無用でラモーンズが大好きだし、ライヴシーンはあるし、ほとんどラモーンズファンのための映画。
たまに、リフの親友ケイトとどこか残念なイケメン・トム君の片思い劇なんかもあったりするが、描き方は何となく雑。第一にラモーンズのカッコいいショット(当社比)が撮れれば、シーンや設定に無理があってもOKなのだ!
というか、たとえ無理があっても、ラモーンズかけたら生徒たちが授業そっちのけで踊りだすような高校に通いたかったよ!!

ただ、みんなが夢中になるバンドがラモーンズである必然性はない。この当時は学校が爆発する級に勢いのあるバンドはラモーンズでありパンクだったからこうなったのだが、時代や自分の愛してやまないアーティストを当てはめて考えれば、この映画のストーリーはいろんなロックアーティストで成り立つ。自分だったらもちろんマンソンな。
そのうえ、レコードをかければ自分の部屋に大好きなバンドが出現(たとえ空想でも)! 
ライヴに行けば最前列で観賞!
自分の作った曲をアーティストにプレゼント! しかも気に入ってもらえる! 
しまいにはアーティストが高校に乗り込んできてみんなで学校占拠!! ヤな校長にもどぎつい反撃!! 
……と、ロックバカの妄想をいちいち具現化したような展開が、ますますロック煩悩を掻き立ててくれる。というか、こんなにダイレクトにロック煩悩を描いた映画もなかなかないですよ。

ちなみに、ラモーンズ大好きヒロイン、リフ・ランデルを演じるP.J.ソールズは、『キャリー』やオリジナル版『ハロウィン』、近年ではロブ・ゾンビの『デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2』に出演。だいたいがイケてる女子ながら、映画後半に殺される役だった。
本作はもちろん死人とは無縁なのでそんな顛末にはならないし、出演作でトップクラスにP.J.がキュートである。

ラモーンズを知らなくても、「ヘイ、ホー、レッツゴー!!」のフレーズは
聞いたことあるという人は多いはず。
というわけで、「Blitzkrieg Bop」をこちら↓↓に。
映像は本作のライヴシーンのものです。


本作からもう1つ「Do You Wanna Dance」↓↓を。
学校を好きなバンドと一緒に占拠して踊り狂うロックバカの夢。
本当にエキサイティングなシーンはこのあとのラストですが。

2013年5月27日月曜日

2001人の狂宴

ロバート・イングランド主催:北から来る奴ぁバーベキュー祭り!! 

2001人の狂宴('05)
監督:ティム・サリヴァン
出演:ロバート・イングランド、リン・シェイ



アメリカには行ったことなくて映像&文献情報でしかないんだけど、マリリン・マンソンTシャツ着て歩いてただけで逮捕って。
高校でマンソンTシャツ着用禁止令って。
マンソンファンってだけで悪魔崇拝者や殺人犯扱いって……。自分はもうこのエピソードを聞いた時点で、アメリカ南部に行きたい気がしない。
しかも、下手に迂回路を進んだりしたら死んじゃうもんなぁ。……さすがにこれは実録じゃないけどね。いくらいまだに南軍の旗を掲げるとか、アングロサクソン以外の人種に冷たいところがあるとしても、今後もこのエピソードは実録にならないでね。

ハーシェル・ゴードン・ルイス監督作『2000人の狂人』のリメイクである本作。北部から来た若者たちがプレザントヴァレーという南部の田舎町に迷い込み、150年祭の特別ゲストとして歓待され、実は南北戦争で殺された人々の亡霊であるにこやかマッドな町民の皆さんにメッタ殺される。

……という大筋はもちろん変わらないが、オリジナルから40何年の時を経て、近年仕様に変化したところも多い。
オリジナルでは、犠牲になるのは罪のないごく普通の人々だったが、今回は若さとバカさと「休みだ! ナンパだ! セックスだ!!」というギラギラに溢れた、伝統的死んでよし要員に変更。
また、祭りのメインは「北部人を殺す楽しみを町民みんなで分かち合うこと」だったのが、「北部人のお肉をみんなで食べること」にシフト。だから、殺すときは別にギャラリーがいなくてもかまわない。
1964年作のオリジナルを現代に沿わせたら、ド田舎にてバカな若者を凝った手段で大量殺戮(セックスとエロトラップに引っかかったらアウト)という古典的スプラッターホラーになったというのも不思議な話だが。

しかし、凝った血祭りの割に「あれ? それもう死んでるの? それでいいの??」と問いたくなるあっさりな死に様まで受け継いでいるのはちょっと物足りない。
そりゃ被害者8人に本編88分ではサクサク(ザクザク)片付けないと間に合わないだろうけど、ある程度慣れたスプラッターもの好きにはちょいと消化不良かもしれない。
どちらかというと、バイセクシャルの男をケツから串刺しとか、黒人が綿プレス機で圧死というちょいインモラルな描写のほうがヤバいといえそう。

撮影裏話を知ると、ダミー人形を使ったゴアシーンとか、キャスティングの大雑把さとか(特にチャイナガールはどう見てもストレートな中国系じゃない)、ルイス映画に負けず劣らずのワンパク性だらけなんだけどな。
なお、この微妙な空気は、イギリス版『2000人の狂人』を意識したと思われる『インブレッド』にも受け継がれている。

あと、カラリと能天気な雰囲気が逆に不気味だった「ヒーーーハーーーー!!」ソングのインパクトが薄いのも残念。せっかくロックアレンジ(別名ロブ・ゾンビバージョン)までしてるのに。

実は、見どころは血しぶきよりも、キャラクターアクター祭りなのである。何せ、町長さんがエルム街の悪夢』のフレディことロバート・イングランドですよ。フレディに劣らぬハイテンションで、胡散臭いんだけどたまらなくチャーミングで、南軍国旗アイパッチも可愛らしいロバートさんのほとんど独壇場ですよ。
もうどんだけ犠牲が出ようと雑だろうと、ロバートさんが楽しそうならそれで良し! みたいなノリさえありますよ。

リン・シェイ演じるグラニー・ブーンも、にこやかな世話焼きおばあちゃんから狂気がにじみ出て、ロバートさんに並ぶくらいの大怪演。一番オリジナルの町民の怖さを受け継いでいるのはこのお方かもしれない。
ジュゼッペ・アンドリュース演じるハーパーは、ヘリウムが残ってそうな声といい粘着度の高い笑顔といい、色男のはずなのに不気味が先行しているのだが、このズレズレ感が気持ち悪くて気持ちいいから不思議。

キャラ立ちはちょい役に至るまで活きている。
本編への前フリとして南北戦争の歴史を説く大学教授は、映画界のMr.胡散臭い奴ことピーター・ストーメア! 
本編とほとんど関係ないアルマジロぶん投げヒッチハイカーに、本作のプロデューサーでもあるイーライ・ロス! アルマジロ死骸+ヒッチハイカーって絶対それ『悪魔のいけにえ』意識しただろ! 
同じく本編にほとんど関係ない、ただ怪しいだけのガソリンスタンドのおっちゃんを演じるトラヴィス・トリット(本職はカントリーシンガー)も良い味出してる。
そして、町民の1人としてサラリと出ているのが『13日の金曜日』シリーズ後期のジェイソンことケイン・ホッダー!! しかも、エンドクレジットをよく見ると、役名が「ジェイソン」。こんなところでフレディとジェイソンの迎合があったとは……。

ゴアよりもキャラが先に立つってのは、ホラーとしてはどうなのかというツッコミもあるけれど、ロバートさんをキャスティングした時点でこうなるのは目に見えてるはずですよ。

ちなみに、リメイクのどさくさにまぎれて狂人が1人増えていたりするが、オリジナルでは2000人と謳っていた町民たちが20~30人だったのが、2001人と謳いつつ30~40人(ときどきCGで割増し)になった程度なので、そこんとこは大差ありません。
それぐらいの人数なら、バーベキューのメインディッシュもみんなに行き渡るだろうしね。

2013年5月26日日曜日

オズフェスト・ジャパン2013(5月12日編)

伝説、降臨。

OZZFEST JAPAN 2013
2013. 05. 12. 幕張メッセ

今回3万円近いチケット代を出したモチベーションの大半は、この日のヘッドライナーにあるといっても過言ではない。
5月5日のハリコンまで、まさか生きているうちに生でフレディことロバート・イングランドに会えるとは思ってなかったのだが……まさか生きているうちにヘヴィ・メタルの始祖、ブラック・サバスを拝めるとも、この日まで思っていなかった。

ところで、この日は昨日に比べて会場にゆとりがあるような気がしたのだが、まさか昨日の来場者の多くはももクロファンだった……ってこと?

昨日のマキシマム ザ ホルモンをフェスにいてくれると嬉しいバンドといったが、ホルモンとはまたちがうタイプでフェスにいてくれると嬉しいバンドがスティール・パンサー
一時期のモトリー・クルーを彷彿させる出で立ちで、「明日の夜にはパーティーに行くんだ!」(Tomorrow Night)「オレの心はお前のものだけど、オレの○○○は公共財産なんだぜ」(Community Property)みたいなきらびやかで良い感じに下品なメタルで沸かせてくれる。

音楽と同じくらい気合が入っているのがMC(別名スティール・パンサー劇場といいたい)。いちいち下ネタを交える、というか下ネタに曲紹介が混ざるといったほうが正しい。しかも「カノジョヲガクヤニヨコセ!」「デブ・リー・ロス、ガチデブ!」「オッパイミセロ!!」と、誰が教えたんだとスタッフさんを問い詰めたいような日本語MCまで。ここまで日本語下ネタMCに詳しいバンドは、あとゼブラヘッドぐらいかもしれない。
ちなみに、「オッパイミセロ!!」といわれて、本当にどなたかがおっぱいを出したらしい……。

↓スティール・パンサー絶好調(下ネタ込み)。

スティール・パンサーに続いて人間椅子がステージに立つと、下品なほどに明るいLAメタル風の世界から一転、ヘヴィで妖しい空間が。袴にたすき掛けや坊さんの袈裟みたいな格好の彼らが、江戸川乱歩や横溝正史、あるいは日本の怪談話風の世界観を鳴らす様相を見ると、「オズフェストよ、これが日本のメタルだ!!」と、お前何様かというほど誇りたくなる。オーディエンスからも「人間椅子!」コールが沸いていた。
和嶋さん(Vo./G)が「平成とともに歩んできた人間椅子、これからも気持ちの悪い曲を作っていきます!!」と高らかに宣言し、まさしくその気持ち悪い曲代表格の「人面瘡」になだれ込む瞬間がベストだった。

昨日のスリップノットからコリィ・テイラー(Vo.)とジェームズ・ルート(G)が続投のストーン・サワー。2日連続しかも異バンドで出るぐらいこの人たちなら余裕でこなすに決まってる……と知っていながらも、コリィの笑顔と、「コンニチワ、トーキョー!! コンバンワ、トーキョー!!」という相変わらずの挨拶に安心する。
「Gone Sovereign」で早速ヘッドバンギングが始まり、「Absolute Zero」の「♪イェエエエエエエ」コーラスをシンガロングするオーディエンスのノリ、コリィにも満足していただけた模様。昨日のスリップノットに続いて「歌を手伝ってくれ」と呼びかけられた「Say You'll Haunt Me」のコーラスと雄叫びにも、一同めいっぱいのボルテージで応える。

「Bother」~「Through Glass」の哀愁漂うアコースティックナンバーも想像以上にキマり、最後は「30/30-150」で再びの大暴れ。スリップノットにしろストーン・サワーにしろ、「また戻ってくる、約束するよ」というコリィの宣言が嬉しいところだ。

ここで休憩タイムを挟みつつディル・アン・グレイ。'10年のラウドパークで観たときも、音楽性がずっとヘヴィになったし京(Vo.)もグロウルが凄まじくなったなぁと思っていたら、今回はグロウルだけじゃなく、ヒステリックな甲高い叫びや気持ち悪さ寸前(褒めてます)のファルセットボイスまで網羅。奇妙なステージデザインといい複雑さを増した音楽性といい、うっすらプログレ寄りになってきたような。

それよりももっともっとプログレどっぷりなのが、次のTOOL。タイムテーブルから5分だけフライングして、18時に始まった。
メンバーは相変わらずさほど前に出ず、シルエットぐらいしか分からない。とはいえ、2m近くあるでっかいダニー・ケアリー(Ds.)と、小柄で何かと奇抜な格好の多いメイナード・ジェームズ・キーナン(Vo.)はすぐにわかる。まぁ、今回のメイナードさんは6年前と同じ付けモヒカンながら、ちゃんとTシャツなど服は着ているので、今までのパンツ一枚とかブラ着用とか顔面ペイントとかに比べれば普通といえるだろう。
しかし、'07年の単独来日のときにも目撃した、謎のカクカクした横揺れダンスは健在。狂気じみた民族舞踊というかペンギンダンスというか、あの動きだけで「コイツはヤバい」感を溢れさせるのだから不思議。
ちなみに、メイナードさんの第一声は、無愛想な「オハヨウゴザイマス」だった。

TOOLはその特異で複雑な音楽性からいって、メタル系のフェスでよく見るヘッドバンギングやモッシュやジャンプなどとは縁が薄い。しかし、その音ひとつで、あるいはメイナードの美声ひとつで、オーディエンスを聴き入らせる力があることは疑いようがない。
特にダニーのドラムは、横隔膜をビリビリさせるほどの迫力。オーディエンスが派手に暴れる光景こそなかったが、どれほど人を惹きつけていたかは曲間の歓声が物語っている。

音楽に次いでTOOLの世界観を構築しているのが、スクリーンに映し出される映像(MVの映像も込み)。むき出しの人体(またはそのパーツ)やスパイラルや幾何学模様は、やはり万人受けからは遠く、コアなファンは喜ぶ。実際、私の少し手前の女子勢が「うっ……」となっていた。フロア後方にもドン引きした方々が少しでもいればいいなぁと、妙な意地悪精神が持ち上がる。

しかし、レーザーとスモークを多用し、ラストを飾った「Stinkfist」のエンディングを引っ張り、紙吹雪爆弾で幕を下ろすのは、TOOLにしては珍しく分かりやすい派手な演出。いつもはずっとステージ後方にいるメイナードさんが、ステージ最前に出てきてピースサインしてお辞儀するのは、もっと珍しい。
オズフェスト仕様の対応だったのだろうか。何にしても、あまりに貴重な光景に、観ているこちらは感動すら覚えてしまったのだが。

↓妖しさまでは撮れない。

始祖が。神が。伝説が。遂に日本の地に降臨する。
オジー・オズボーン(Vo.)、トニー・アイオミ(G)、ギーザー・バトラー(B)という限りなくオリジナルに近い布陣のブラック・サバス。ビル・ワード不在は残念だが、このメンバーがそろって来日、しかもオズフェストのヘッドライナーをつとめるなど、メタル史上の事件。
私自身はオジー単独のステージは'10年のラウドパークで体験済みだったし、そのときの「ロック・レジェンドを目撃した!」という感動も半端じゃなかったのだが、そこにアイオミのギターとギーザーのベースが加わると、オジー単独以上に別格の感動がある。周辺からも、開演直前には「いよいよか」「ついに来たよ!」と期待のつぶやきがあちこちから聞こえていた。

「War Pigs」で幕を開けるやいなや、シンプルにしてズシンと重い、CDの世界で何度となく聴いてきたサバスの音がそこにあった。そしてオジーの独特なボーカルが入れば、もうまぎれもない伝説のブラック・サバス。それでいて、ディスプレイに映る近年の戦争/テロ事件の映像に、この曲の普遍性を再認識させられる。
このときのオーディエンスのシンガロングの響きは、当日最大レベルだったんじゃないかという気さえする。

ちなみに、オジーは3年前と変わらず動きがヨタヨタしていて、手拍子のリズムもなんか遅かったりしたが、もはやヨタってもズレてもカッコいいという特権があるので問題なし。オジーが天然なぶん、アイオミとギーザーがしっかりしてるしな。

サバスのステージ中は常に「今、伝説が目の前に!!」という興奮と感動が溢れ返っていたのだが、とりわけそれが強まった瞬間は、やはりすべての始まりたる「Black Sabbath」(黒い安息日)が演奏されたときだろう。一番単純でキャッチーにして暗黒・陰鬱・不吉なリフと、サタニズムほぼ直結のリリック。後のヘヴィ・メタルに脈々と受け継がれる要素の多くは、ここに詰まっているのだ。
「Black Sabbath」も素晴らしかったが、ギーザーのベースソロに始まり、"My name is Lucifer, please take my hand" が好きなフレーズでもある「N.I.B.」も個人的ベストモーメントだった。
↓伝説の瞬間最高峰「Black Sabbath」!!!

 「Iron Man」(トニー・スタークに先駆けた元祖アイアンマンはこちらですよ!!)に続いて、最新アルバムに収録される「God Is Dead?」がプレイされる。1stアルバムを想起させるドゥーム色が強い曲で、アルバム『13』への期待値を高めずにはいられない。
本編を「Children Of The Grave」で締めくくったあと、アンコールでアイオミが「Sabbath Bloody Sabbath」(血まみれの安息日)のリフをつま弾いたので、まさかそこにいくのかと思いきやそうではなく、やはり最後は「Paranoid」だった(今じゃ「血まみれの安息日」のキーにオジーの声が追いつかないもんな)。合間合間に一斉にジャンプが起きるものだから、フロアに一気に波が立っていた。
偏執狂の男の独白がこんなにも人を沸かせるのは、やはりサバスの力かもしれない。

↓アイオミが!!!
↓オジーが!!!!

メタル的猛暑が到来した2日間のあと、オフィシャルのオズフェストアカウントが「また日本で開催してもいいかな?」とツイートしていた。
またも何も、やるならいっそ毎年の春のメタル風物詩にしてくださいよ。そしてその暁には、1日目のレポートに挙げたようなポイント含め、運営側にいろいろと改善していただきたいです。

2013年5月18日土曜日

オズフェスト・ジャパン2013(5月11日編) 

伝説よ起きてくれ。

OZZFEST JAPAN 2013
2013. 05. 11. 幕張メッセ

ロックファン、特にメタルファンにとっての伝説。メタル、ハードロックの最高峰の一つたるロックフェス、オズフェスト。
それが日本で開催されると聞いて、心が躍るどころかモッシュピットにならないわけがなかった。
しかし、ヘッドライナークラスの出演アナウンス以降は、「それもオズフェストに出すの?」という疑問の残るアーティスト発表で、一転暗雲が立ち込めた。
実際のところ、オズフェスト・ジャパンにまつわる嫌な予感は、出演アーティストとは関係のないところで現実になったのだった。

土曜日当日は雨だというのに、傘はメッセ内持ち込み禁止。(つまりクロークにすら預けられない)
相場500~700円のクロークが1000円。その割に、受け取りに行くために屋外へまわらなくてはならない。(日曜なら大した問題ではなかったかもしれないが、この日は雨で冷え込んでいた。来場者の多くはヘッドライナーのステージ直後で汗だくのままだ)
たいていのフェスでは水のペットボトルのみ持ち込み可のライヴエリアに、飲み物が一切持ち込めない。(メタル系フェスともなれば水分補給は必須だ)

思うに、オズフェスト・ジャパンの主催側は、フェス運営の経験に乏しかったのかもしれない。
しかし、フェス黎明期ならともかく、以前同じ場所でラウドパークが開催されていたとあっては、前例があるのになぜこのようなことになったのかと指摘されてもいたしかたない。Twitter上でもこの手の苦情つぶやきを入れたのだが、メールフォームなど直接主催者に訴える手が目下見当たらない。どうすればダイレクトに伝えられるのだろうか……。
ただ、運営には難が多々あったものの、ステージは常に最高の状態だったのは本当に幸い。

↓ぎゅうぎゅうのフードコート。 
↓デスボイスカラオケは正直楽しかったです。
巨乳まんだら帝国の教祖様の「Enter Sandman」良かったです。

マキシマム ザ ホルモン待ちの間、今回出演が最大の物議を醸したももいろクローバーZも自動的に聞くことになった。
メタル系フェスにあえてアイドルを呼ぶことは、主催者側の気合や冒険心が感じられれば面白い試みに思えたのだろうが、正直そのへんが伝わってこなかったので、営利目的のほうが強いのではとマイナスイメージのほうが強まってしまった。
とはいえ、ステージの全力投球ぶりとフロアの盛り上がりぶりは、どう見てもアウェーな空間でよくぞやったとは思う。この手のアイドルの好き嫌いはあるものの。

ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)いわく、「オズフェスにスリップノットとMAN WITH A MISSIONとホルモンの名前が挙がったとき、『被り物が3組かよ!』ってつぶやきがあった」らしい。つぶやき主は何をもってホルモンを被り物ジャンルに入れたのだろうか。ギラギラ感だったら、オーディエンス込みでみんな被ってたけどね。
マキシマム ザ ホルモンは厳密にいうと純正メタル/ハードロックではなく、様々な音楽性のミクスチャー。しかし、オーディエンスがそろって激しくヘッドバンギングし、モッシュもいたるところで発生する様子はメタル系フェスに組み込んでも違和感なし。というより、ホルモンはフェスにいてくれると嬉しいバンドなのだ。

激しく重い音と激しいオーディエンスだけでなく、「三度の飯より!!」「飯が好き!!!」コールや、恋のおまじない「麺カタ……こってり!!!」もキマっていた。ダイスケはんのMCで「君たちは人間じゃありません! 今日この記念すべきフェスの初日に来た、ロックモンスターです!!」って、人間じゃないと言われてこんなに嬉しいこともない。
ところで、私ヘッドバンギングの最中、どなたかの背中に頭突きをかましてしまったことをおぼろげながら記憶しております。申し訳ありません。

ホルモンで思いのほかぐしゃぐしゃになってしまったので、ブラック・ステージヘッドライナーのスラッシュは休憩しながら鑑賞。しかし、ときどきガンズ・アンド・ローゼスのナンバーをやってくれると、つい反応してしまう。個人的には、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーの「Slither」までやってくれたのが嬉しい。ラスト「Paradise City」には大合唱が巻き起こった。


そしていよいよ、5年ぶりの来日公演となるスリップノット。#2ことポール・グレイ(B)が亡くなってから、初めての来日公演でもある。
白い幕に覆われたステージに響く、場違いな50~60年代ポップソング。その曲がレコードの針が飛んだように「Left Behind」というフレーズしか繰り返さなくなり、スリップノットらしい不気味さを醸し出す。
「Disasterpieces」のイントロとともに幕が落ちると、白地に血の飛び散ったツナギでそろえたメンバー9人の姿が現れた。ポールの穴を埋めるベーシストはいるが、それでもポールの不在という喪失感は強く残っている。しかし、喪失感も含めたすべてをかけて燃え上がる気迫のほうが強かった。その気迫に、「病んでいるとき人々は騒音を生み出す」(Disasterpieces)に始まり、「オレの狂気を解放しろ」(Liberate)へと続く流れは完璧だった。

#8コリィは例によって、「トーキョー、サワゲ!!!」「テヲアゲロ!!」「トベー!!」とオーディエンスを煽りまくっていたが、コリィに言われなくともフロアは後ろのほうまで飛び跳ねていた。レスポンスや叫びだけじゃなく、「Wait and Bleed」などのシンガロングも強力。ステージから上がったスモークやパイロは、オーディエンスの興奮を代弁するかのようだった。

そんな中でも、「Dead Memories」のイントロではなぜか突然ポールのことを思い出して泣けてきてしまった。紙吹雪が舞う中での「Gently」にも、その美しさがスリップノットらしからぬような、ふさわしいような、不思議な感動があった。
「Duality」ではコリィがポールへの言葉を述べ、「君たちに歌を手伝ってほしいんだ」と呼びかけた。エリアに響き渡ったコーラスは、スリップノットにしっかり届いてくれただろうか。

↓ステージに掲げられた②。それだけで様々な思いが。



本編ラスト「Spit It Out」のしゃがんでからのジャンプもキマり(今回「スワレー」はなかったな)、アンコールは「(sic)」→「People=Shit」→「Surfacing」と、どこがクライマックスでもおかしくない怒涛のセットリスト。バンド、オーディエンスともに、最後の力を出し切っていた。
「Fuck it all! Fuck this world! Fuck everything that you stand for!!」(Surfacing)の雄叫びは、間違いなくこの日のベスト・モーメントでした。


素晴らしいステージと、運営にあたって多くの課題をもってスタートしたオズフェスト・ジャパン。
やがて春のメタルフェスとして定着し、「第一回の初日は会場ゴタゴタだったなぁ」と笑い話になるときはくるのだろうか。
「え、お前あの伝説の第一回行ったの!?」なんて、いつかは言われてみたいという野望も密かにあったりしますよ。

2013年5月10日金曜日

007/ゴールデンアイ

007/006、諜報部員やめるってよ。

007/ゴールデンアイ('95)
監督:マーティン・キャンベル
出演:ピアース・ブロスナン、ショーン・ビーン



自分の007童貞卒業の一本がコレになったのは、イトコが懐かしのニンテンドー64『ゴールデンアイ』を持っていて、バトルモードで対戦させてもらっていたからである。
ボンドはいつもイトコが選択するので、私は「じゃあこん中だとショーン・ビーンが好きだから」という理由でたいがいアレック・トレヴェルヤンで戦った。
そんなショーンの思い出込みで観賞したのに……まさかこういうことになろうとは。

冷戦時代、旧ソ連の基地に潜入したボンド。ボンドは任務を果たし脱出したが、同じ任務に携わっていた、旧友でもある006ことアレックはウルモフ将軍に殺された。
それから9年後、テスト飛行中だったタイガーヘリが強奪され、さらに間もなくロシアの宇宙兵器管理センターから衛星レーザー兵器「ゴールデンアイ」が奪われる事件が発生。調査に携わったボンドは、事件の背後に犯罪シンジケート「ヤヌス」が絡んでおり、ウルモフ将軍もヤヌスと関わりがあることを知る。
しかし、ヤヌスの本拠地で、ボンドは思わぬ真実を目にすることに。

個人的リアルタイムボンドがブロスナンなので、ボンド映画の基準線がなんとなくピアボン(ピアース・ブロスナンのボンドの意)シリーズに落ち着いている自分の目線。しかし、後々ほかのボンド作品(ダニエル・ボンドシリーズを除く)と比べてみると、本作はずいぶんスパイガジェットがおとなしいほうである。
ボンドカーも一応出てくるけど、どんな機能が搭載されていたかまでは分からないまま、友達に貸しちゃってましたね。機能を知らずにボンドカーに乗るって、何の気なしにミサイル発射ボタンを押しちゃいそうで結構な恐怖だと思うけど。

ガジェットが地味な代わりに、ダムの淵から垂直落下やら、バイクで断崖絶壁ジャンプからのヘリ飛び移りやら、市街地を戦車で破壊やら、アクションシーンはやたらと派手にやらかしている。そのわりに意外と緊張感がないが、これは監督の作風によるところが大きいのではないかと。
ボンドが乗った移動手段は列車だろうと車だろうと破壊される……というネタ扱いにまでなっている。ボンドガールのナターリア(イザベラ・スコルプコ)いわく「何か因縁でもあるの?」と。

ちなみに、戦車による街破壊のシーンで、フランス産炭酸水ペリエのトラックをイギリス人ボンドがぶち破るあたり、モンティ・パイソンの時代から脈々と続くイギリスのフランス嫌いネタのようだ。

ボンドガール勢に「強いプロフェッショナル」色がいっそう濃くなったのは、ピアボン時代=90年代に入ったころからである。
その代表格が、初めて女性でボンドの上司Mになったジュディ・デンチ。貫禄あるデイムの前では、ボンドさえ「あなたは男性優位の時代を象徴する太古の生き残りよ」とバッサリ。
歴代の中で一番ボンドに冷たい3代目マニーペニー(サマンサ・ボンド)からも、言動について「それってセクシュアル・ハラスメントよ」と釘を刺されるのだった。

ただ、秘書からチクリ上司からグサリと言われつつも懲りたそぶりを見せず、またそんな姿に嫌味がなく、一方でときにボンドガールにも容赦のないピアボンは、この時代のボンドにちょうど良かったんじゃなかろうか。
ナターリアに「(PCハッキングは自分がやるから)さっさと逃げ道を探しなさい!」と怒られ、一瞬目を丸くしながらも「イエス・サー」と冗談めかして答える姿が好感高い。

ピアボン時代の幕開けにして、歴代ボンドガール最強クラスの1人となったのが、ヤヌスの殺し屋ゼニア・オナトップ極私的ボンドガールベスト第1位でもある。
女殺し屋キャラはそれこそコネリー・ボンドの時代からいたが、オナトップがその中でもずば抜けているのは、殺人やバトルで性的興奮をかきたてられる変態的嗜好によるところが大きい。宇宙局の職員たちを射殺しながらエクスタシーの溜め息をもらし、ボンドの反撃に遭ってもなお楽しそう。
あと、ゼニア・オナトップという名前は "Then you are on a top" をもじった婉曲的エロネタだと、Twitterで町山智浩さんに教えてもらいました。

何より一番重要なのは、必殺太もも胴締めチョークスリーパー! オナトップのエロさとインパクトの強さの真骨頂はここにあるといっても過言ではない。映画秘宝のボンドガール総選挙でも、「自分も太ももで締められたいです」って投票者コメント多かったもんなぁ。
おかげで、自分の脳内では『ゴールデンアイ』=太もも締め映画ってイメージになっちゃったのである。

そう、問題はそれ。映画の印象の多くをオナトップ(の太もも締め)が持っていってしまったため、好きな俳優に名前を挙げているにもかかわらず、ショーン・ビーンの印象が薄まってしまったのである。
ボンドのかつての仲間にして旧友、それでいて出自にまつわるイギリスへの密かな憎しみを抱えているというおいしい設定なのに、あるいは体格の均整がとれているから潜入/戦闘時の黒服がとても似合うというのに、殺し屋とPCオタクくんの影に隠れてしまうとは……。
同じ元諜報部員ヴィランのハビエル・バルデム(『007 スカイフォール』)のインパクトと比べると、なおのこと薄ら哀しい。

もっとも、そういうところも定番のショーンらしくって、どうしてもえこひいきしてしまうのですが。おかげでアレック・トレヴェルヤンは、極私的ボンドヴィランベストにて堂々の6位入りをはたしました。
あと、せめてもうちょっとショーンを目立たせようと、勝手に邦題つけました。(記事タイトル参照)

最後に、本作のタイトルシークエンス動画を添付しておきます。女と拳銃といういかにもなシルエットを配しておきつつ、落ちていくハンマーと鎌、壊れたスターリン像など、スパイ映画と冷戦時代の間柄の終わりを表明するところがなかなか。ティナ・ターナーの主題歌も、個人的には好みです。


2013年5月7日火曜日

ハリウッド・コレクターズ・コンベンション No.2

1,2,フレディが来たよ。

ハリウッド・コレクターズ・コンベンション No.2
2013. 05. 05. ホテルグランドパレス 2Fダイヤモンドルーム

1,2,フレディが来るよ
3,4,ドアをロックして (ドアに鍵なんかかけないよ)
5,6,十字架を握りしめ (十字架はポイして)
7,8,遅くまで起きていよう (早めに寝よう)
9,10,二度と眠らない (ボルテージ上がりすぎて寝れねーよ!!)

通常、フレディの数え歌は左記ですが、フレディファン……というか自分は()内が本音です。

コミコン(『宇宙人ポール』でサイモン・ペッグとニック・フロストが行ってるアレ)的イベントに行くのは今回が初、誰かのサイン会に行くのも初。というか、まさか『エルム街の悪夢』のフレディことロバート・イングランドに会えるチャンスが人生に訪れるなど考えてもいなかった。
悪夢よりも寝坊を恐れ、朝飯もそこそこに自宅を飛び出し、それでもなおサイン会整理券が完売していたらどうしようという恐怖をひきずりつつ到着したグランドパレス2階で……
120番台とはいえ余裕で整理券ゲットしました。どれだけ杞憂なんだか。

会場前フロアにアイアンマンマーク42!

飲食ブースにはスパイディ!


サイン会は有料だが、無料で誰でも入れるのがお隣のディーラーブース。フィギュアやらTシャツやらその他レアなアイテムやら、映画関連のグッズが展示/販売中。
自分には手の届かないものばっかりなんでは……と思っていたら、このイベント特別仕様で大幅に値下がりしているアイテムもあり、一転して散財の危機に陥り、バッグの中はフレディグッズ満載という有様に……。

↓ 戦利品その1。

ところで、ハリコン会場にはかなり気合の入ったコスプレの方々がいらっしゃった。本気度が高くて、写真を撮りに走り回らずにはいられない。そのせいでほとんどブレていたのだが。

↓プレデターズ。↓



フォースとともに……いや真ん中何かちがう。 

ジェイソンvsプレデター!

このほかにも、ゴーストバスターズの皆さん、バットマン(ノーラン版)、マッドマックス(2のほう)がいらっしゃいました。

ちなみに、私はロバートさんのサインとツーショット写真ぶん払っていたので、もう1人サイン会のゲストとして来ていたショーン・アスティンさん(『LotR』シリーズのホビット・サム、子役時代は『グーニーズ』のマイキーで有名)のサイン列は断念……グーニーズ好きですけど。

しかし、サイン待ちの列からでも、ショーンの明るいサービス精神旺盛キャラはダダ漏れ。
「今から僕宛てにツイートしてくれた人にはリプライ送るよ!」
「今日メキシコは独立記念日なんだ! メキシコのファンたちに動画メッセージ送るから、みんなで"Cinco de Mayo!! "って言って!」
と自身のHPやTwitterを活用し、国境を越えたファンサービスに余念のない人だった。
一時は、コスプレのフレディとジェイソンのバトルの間に割って入って止めたり、隣のロバートのところに駆けつけて日本語を教えてあげる場面も。
おかげで「アイシテルヨ、フレディ!」「アイシテルヨ、サム!」という謎の交流が生まれました。

さて、ロバートさんの列にいると、必ず聞こえてくるフレディ笑い。ツーショット写真の際は、穏やかな紳士から一転してフレディモードになってくれるのである。
リクエストに応えてケータイにボイスメッセージを入れ、"Welcome to prime time, bitch!" "How sweet...flesh meat!!" など、ファンにはなじみの深いフレディ名言も聞こえてきたのが嬉しい。
紳士モードのときには、ポートレート写真にまつわるエピソードなんかも教えてくれる。

そしてとうとう自分の番に。前にきて早々にロバートさんから握手をしてくれたこの時点で、どこか頭の回線が消し飛んだと思われる。『フレディvsジェイソン』のプログラムにサインをお願いしたのだが、何か微妙に言い方を間違えていた。なぜ通訳さんを介さなかったのかは私にも分からない。それでもニコニコしながらサイン(アドリブメッセージ付)をしてくれたロバートさん、本当に紳士です。

「ここは金色のほうがいいよね」と表紙にサインするイングランド先生。

↓御真筆!!!
「ジェイソンの次の犠牲者」だなんて、自分も出世したもんだ!! もうジェイソンに匹敵だぜ!! と思いたいところですが、実際はまだまだ『フレディvsジェイソン』の屋外パーティーシーンで何となく死んでるモブレベルです。せめて「すぐ戻る」と言って戻ってこないような第3犠牲者レベルには登りつめるよう精進いたします。

と、そこへ、さっきからたまにやってくるコスプレさんたちが、なぜか突然戦闘モードへ。ジェイソン、フレディだけじゃなく、プレデターやストームトルーパーまでが勢ぞろい。
そしてこの勢いはロバートさんにも伝染。マチェーテ振りかぶって近づいてくるジェイソンにキックを入れた! さらにストームトルーパーの銃をお借りしてプレデターに応戦! でも最後はプレデターとがっしり握手! 素敵にわけが分かりません。
間近で世紀の5つ巴死闘を目撃できたことは、この日最大の幸運だったかもしれない。
真性フレディの横でフレディvsジェイソン!

そんな予期せぬバトルのあとでツーショット写真。撮影中はまったく気づかなかったのだが、ロバートさん実は私のネクタイを鉤爪で持ち上げてくれていた。おかげで、あのネクタイの価値が自分の中で勝手に上昇しました。

ロバートさんは、ランチ休憩前にもディーラーブースを一回りされてました。フレディグッズを見て「これレアだね」とコメントしてくれることもあれば、フレディもの以外に興味津々なことも。ハリー・ポッターもののブースにちょい長居してたし。テッドの喋るぬいぐるみ見て「コイツはおそろしい」ってのが一番のナイスコメント。



↓ランチ前にブース見学のイングランド先生。↓


「ショーンはもう見に来たの?」(LotRグッズのブースにて) 

ロバートさんとの遭遇もコスプレさんたちとの遭遇も楽しかったけど、Twitter上でしか知らなかった相互フォローの方々とお会いできたことも良い思い出の1つでした。